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平均年収1839万円「キーエンス」元トップ営業マンが語る“社会人の極意4つ”

学び

 数ある日本企業の中でも特に給与が高いことで知られるのが、センサーなどの電子精密機器メーカー、キーエンス。『就職四季報2019年版』(総合版)によると、給与情報が公開されている1113社のなかで平均年収がもっとも高く、その金額はなんと、1839万円(平均年齢36.6歳・Yahoo!ファイナンスより)

営業

※画像はイメージです(以下、同じ)

 前編に続き、元キーエンスのトップ営業マンであり、株式会社FAプロダクツの天野眞也会長に話を聞く本企画。後編では、天野さんキーエンスがトップ営業マンになれた秘密に迫ります。

極意① 数字は見るな、感じろ

――キーエンスでトップ営業マンだったときから実践している仕事術や意識していることはありますか?

天野眞也(以下、天野):新人時代に先輩営業マンから教わったことは今でも実践しています。

――特に数字については独特な見方をするそうですね?

天野:はい。たとえば、数字を見ていて「これはおかしい」と気付けるのは一般的に良い数字の使い方だと思います。しかし、数字を見てから「おかしい」と思うだけなら、実は誰にでもできることなんですよ。だからこそ、細かい数字を見なくても大体の肌感覚でおかしさに気付けるようになることが重要です。僕の場合、売上や利益に関しては、数字を細部までじっくり見なくても、ざっと流し見ただけで大体の感覚でわかるんですね。

――それってすごく難しいことなのではと思うのですが……。

天野:大事なのは、常に本質を考え、察知することです。実は僕もたまに「天野さんって数字とか見てるんですか?」と疑われることがあります。パッと見そういうふうに思われがちなのですが、むしろ逆で僕はすごく数字を見ていますし、重視しています。では、なぜ周りからそう見えるのかというと、僕はいちいちすべてのデータを細かくチェックすることはしないんですよ。

数字を有機的につなげていく

天野眞也

リモートで取材に応じてくれた天野眞也さん

――具体的にはどのようなデータを見るのでしょうか?

天野:分かりやすい指標で言うと、利益率。仮に利益率がぶれているとしたら、そこには必ず理由があります。そして、原価や工数など、その数字に対しての因果関係が特に強いであろう要素の数字3つ、4つを常に見ておきます。この数字がこうなったら、あの数字もこうなるだろう、という形で数字を有機的につなげていくのです。その結果、すべての数字をくまなくチェックしなくても全体の数字の動きが感覚的にわかるようになってきます。

 数字も重要ですが数字に落とし込みにくいものもチェックする必要があります。労働時間ひとつ取っても、やたらとたくさん働けばいいというわけではありません。きちんと利益を生み出す「有償稼働時間」が大事です。

 たとえば、「設計をしている」時間はそれが顧客からお金をもらってできることなので、有償稼働時間に当たります。一方で、ただ「物を配る」という行為は物が移動しているだけなので、それだけでは利益を生まない「無償稼働時間」なんです。面倒くさいですが、これらのさまざまな数字の因果関係をつなげていくことがもっとも大事です。

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