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ネットで「手取り15万円」が論争に。日本人のリアルな給与額は?

コラム

 9月24日、「手取り15万円」というキーワードがTwitter上で話題になりました。とあるアカウントの「死なないギリギリのラインの雇用が日本中に蔓延している」という衝撃的な記述に端を発し、一時期ツイッターのトレンドランキングで1位を記録しました。

貧乏 ビジネス

※画像はイメージです(以下同じ)

 確かに、近年の日本は度重なる増税や控除の減少により手取りは減り続けていますが、「日本中に蔓延している」という記述はいささか誇張した表現に聞こえなくもありません。

 そこで今回は、bizSPA!読者の20代に向けて、給与データなど客観的な数値を見ながら「手取り15万円」というのが本当にリアルな数字であるのかを検証してみます。

「手取り15万円」は逆算すると月20万円

 手取りがほぼ15万円になる月収ですが、社会保険料など給与から差し引かれる諸々の項目から逆算すると、おおよそ20万円だと考えられます。

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■手取り15万円の月収イメージ

給与額(収入)200,000円
所得税 6,250円
住民税 12,917円
社会保険等 9,900円
厚生年金 18,300円
手取り 152,633円

※出典:各税金・控除に関連する最新の発表数値を使い作成。都道府県は東京を想定
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 もちろん住民税は各自治体により変動するため、多少の差異は生じます。しかし、サラリーマンで基礎控除以外の特段の控除がない場合は、上記のイメージで問題ないでしょう。

 大企業の場合でも初任給20万円以下のところは多いと言えます。とはいえ、年齢が上がるにつれ、当然、年収も手取りも徐々に上昇します。

中小企業だと「手取り15万円」の生活が続く?

 現に、厚生労働省が発表している年齢別の給与カーブを見てみると、大企業(従業員数1000人以上)でも初任給は18万円から始っています。その後は緩やかに上昇し、50代で年収450万円クラスに到達しています。

 一方で小企業(従業員数が10~99人)に着目すると、40歳を過ぎても給与はほとんど上がらず300万円付近で停滞し、かなり対照的な結果です。また、定年を迎えた60歳以降の給与は、企業規模にかかわらず急激に減少しているのがわかります。

■年齢別給与カーブ(企業規模別)

厚生労働省

(出典:厚生労働省、「平成30年賃金構造基本統計調査」より作成。上記給与には、時間外勤務、家族、通勤、住宅など諸々の手当が含まれる。賞与は含まない)

 もし小企業に20歳から60歳まで勤める場合の月額の平均給与は約22万円になり、手取りは16万7000円程度になります。本来社会人として最も脂ののった45~59歳の時でも年収は約300万円で、毎月の手取りは18万9000円程度と、計算されます。

 これだけ聞くと、とても低い結果です。しかし、上記の統計には賞与(ボーナス)の金額は含まれていません。それを踏まえると、手取り15万円レベルの生活がずっと続くとは考えにく、小規模の企業でも同様の状況が続くとは言い難いです。

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