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JR北海道「過去最悪の赤字」…辞めた社員の声に見る“行きづまり”感

ビジネス

JR北海道の労働環境は?

JR-Hokkaido

JR北海道本社ビル(北海道札幌市中央区) photo by User:欅 CC BY 3.0

 厳しい状況にあるJR北海道ですが、社員の労働環境はどのようなものなのでしょうか?

 年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」ユーザーの情報をもとに見てみましょう。いずれも現在は退社した3人のコメントです。

部署にもよるが残業はほぼ無い。またあっても理由があれば残業を断る事もできた。年中無休の会社のため5年目くらいから休日も、平日と同じく出勤していた。有給は比較的取りやすく申し込みをして取れない日は無かった」(技術関連職/20代後半男性/正社員/新卒入社3年~10年未満/投稿時に退職済み/2018年度)

 残業の少なさや、有給休暇の取りやすさなど、働きやすさを評価する声もあるようです。一方で、社風に対する不満の声も……。

「体育会系の気質が強く、上司の飲み会の誘いは必ず参加しなければならない。社員のモチベーションは低く、仕事を自ら作り出そうという意思は低い。しかしながら、トップダウンで、落ちてきた仕事に関しては異常なまでの速さでこなす」(その他/30代前半男性/正社員/新卒入社10年以上/投稿時に退職済み/2014年度)

20代技術者が感じた「お先まっ暗」感

 つづいて、退職した20代男性元社員の口コミを見てみましょう。

退職した理由は、経営状態が悪く新幹線札幌延伸まで改善しない方針を会社が出したため。仕事内容に対する給料が安いため。高度な専門知識が必要になる上、新幹線の運休や遅延は国レベルの問題に波及するため、普段の業務のプレッシャーはかなり高い。

 しかし給料は地方公務員並みである。設備投資が安全関係(老朽設備取替など)ばかりになっており技術屋としては面白くない。しかもそれは今後10数年変わらないだろうと上司から聞いた」(物流サービス/20代後半男性/正社員/新卒3年~10年未満(投稿時に在職)/400万円/2018年度)

 経営状態への不安や、業務内容と給与の不釣り合いを感じ、退職を決意した人もいるようです。

 JR北海道はこれからこの苦境をいかに脱却するのでしょうか。人々の生活に関わる問題となるため、今後の動向にも目が離せません。

<TEXT/鈴木遥 データ/キャリコネ(運営:グローバルウェイ)>

日本大学芸術学部に在学中。演劇学科で演出をメインに学び、その傍らで企画制作事務所の弟子として活動している。

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