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ストレス社会を生き抜くヒントを「ユダヤ人の過酷な体験」に学ぶ

学び

「とにかく不安で仕方がない」「自分に自信が持てない」「何をやるにも気力がわかない」。

 こんな気持ちになったことはないでしょうか?

ストレス

※画像はイメージです

 これまで10年以上にわたって、のべ8000人以上のカウンセリングをしてきた心理カウンセラー、舟木彩乃さん。舟木さんによれば、耐えきれない悲しみや不安、苦悩を乗り越える“魔法の力”として近年、注目されているのが「首尾一貫感覚(SOC)」。

「だいたいわかった(把握可能感)」、「なんとかなる(処理可能感)」、「どんなことにも意味がある(有意味感)」の”3つの感覚”からなる首尾一貫感覚について説いたのが、舟木さんの初の著書『「首尾一貫感覚」で心を強くする』(小学館新書)。この記事では本書から一部を抜粋・再編集し、公開します。

ストレスの9割は「人間関係」が原因

 どうしようもない不安や悩み、生きづらさ、自分で抱えきれなくなっているストレスを、私たちはどのように克服したらよいのでしょうか。

 ストレスの9割は「人間関係」が原因だという統計があります。

 私自身のカウンセリング経験においても、人間関係で悩んでいる人たちが非常にたくさんいます。その場合、親子間の確執やケンカ、職場における上司と部下の対立、嫁姑の問題やご近所トラブルなど、自分の周囲の人間関係がストレスになっていることが多いです。たぶん「今まで人間関係で悩んだことがない」という人はいないでしょう。

 しかし、それらのトラブルやストレスの原因となっている相手を自分の思い通りにしようと思っても、なかなかうまくいきません。逆に、容易に変えられない相手だからこそ、克服しづらい強いストレスになっているともいえます。

 そうした場合の解決への早道は、他人を変えようとか、相手との関係性を変えようとするのではなく、自分の意識や捉え方を変えることです。

視点を変えると景色が変わる

「なぜ相手のほうが間違っているのに、自分が変わらなければいけないのか?」

 そう思う気持ちも理解できます。でも、ストレスの対象が自分の思い通りにならない限り、あなたの悩みは永遠に消えません。また、自分に非があるとか、自分が間違っていたことを認めるというのでもありません。あくまでも、自分の「意識」「捉え方」「視点」を変えることで、まったく新しい景色が見えてくるのです。

「これは自分の性格なんだから、今さら自分を変えることなんてできない」

 そう考える人も多いと思いますが、実は、人は自分が思っている以上に、自分のことをよく理解していません。「自分はこういう人間だ」というのも、自分の“思い込み”の1つに過ぎません。自分にそういった“思い込み”があると理解しただけでも、今までと違う自分に変わったともいえるでしょう。

 自分が変われば、相手との関係も変わります。そうすれば、自分の身にのしかかっていたストレスの重さも変わっていきます。不安や悩み、ストレスの種がなくなることはありませんが、それらをコントロールすることができるようになるのです。

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