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「ゆるキャラブーム」に終焉の兆し…アベノミクスが原因!?

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 この転機として殿村氏が挙げるのが、’16年に新設された「地方創生推進交付金」だ。アベノミクスの中心となる成長戦略のひとつだ。

「ここで投じられる国費1000億円の交付対象は、斬新かつ先駆的な事業であることが必要です。そうなると、もはやゆるキャラはこの条件にマッチせず、代わりに地方自治体が力を入れているのが、地方PR動画。温泉でシンクロナイズドスイミングをやって話題になった大分県の動画は、こうした文脈上にあるものです。

 再生回数というダイレクトな数字もありますから、地元議会に説明しやすいという利点もあります。ゆるキャラグランプリがなくなっても各自治体は一向に困らず、新しい施策に乗り換えるだけでしょう」

「地域創生を本来の形に戻そう」

[ゆるキャラ]ブームの終焉

昨年のグランプリ、成田市の「うなりくん」

 ’11年のゆるキャラグランプリから関わり続けてきた、現・実行委員会長の西秀一郎氏もまた、地方創生を同グランプリ終了の理由に挙げている。

「東日本大震災という未曾有の大災害が起こり、日本全体が落ち込んでいた’11年11月のゆるキャラグランプリは、地域の復興や、地域の絆を結ぶことが大きなテーマでした。

 だから復興五輪と位置づけられている東京五輪が開催される’20年は、グランプリにとっても集大成の年。ここをひと区切りとして、地域創生を各自治体がやるという本来の形に戻そうという思いで決断したんです」

ゆるキャラグランプリの歴史的な役割の終わり

 ’15年には史上最大の1727キャラがエントリーしていた同グランプリも、’17年は1158キャラ、今年は910キャラと、明らかに参加数が減ってきている。全国のゆるキャラを一堂に集めて、各自治体に消耗戦を強いてきたイベントは、主催者側にとっても、参加側にとっても、歴史的な役割を終えたということなのだろう。

 だがそれでも、ゆるキャラはそう簡単には死なない。前出の犬山氏によれば、地方自治体が手を引いていく中で、ゆるキャラグランプリにエントリーする「企業キャラ」が年々増えているというのだ。