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大炎上した「ねこホーダイ」、誤解を招くネーミングだけじゃない“失敗の本質”

ビジネス

資金繰りに窮する会社が手を出した末路

株価

 中小企業ホールディングスは9期連続で純損失を出しており、まったく利益が出ていません。しかも、2022年9月末時点で手持ちの現金は6600万円ほど。売掛金を含めても7200万円しかありません。その一方で、支払手形と買掛金の合計額は2億4500万円あります。

 つまり利益が出ず、資金繰りにも窮している会社なのです。本来は本業に経営資源を集中して赤字体質を解消し、止血することを最優先すべき。

 中小企業ホールディングスのオートモービル事業やコスメ衛生関連事業は長らく赤字が続いており、事業整理などのテコ入れが必要です。それにもかかわらず、次々と提携する会社を増やし、事業を拡大しようとしています。その中から生まれたのが「ねこホーダイ」でした。

 結果として、命というデリケートなものを、あまりにも軽々しく扱ってしまった印象を受けます。少なくとも、消費者へのサービス内容の説明は徹底すべきでした。どこかの時点で「ねこホーダイ」を再開する可能性は高そうですが、今回の炎上を重く受け止めて改善に努めるべきでしょう。

<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ>

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。現在はコンサルタントという名の中小企業経営者のサンドバッグ役を務めるかたわら、経済の面白さを広く伝えるため、開示情報を分析した記事を書いている。好きな言葉は美食家・北大路魯山人の「硬め、麺少なめ、ニンニクマシマシ」

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