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ネイティブも間違える中学英語「人口が少ない」の正しい表現

学び

 ネイティブスピーカーでも間違った英語を使っていることは、実は多くあります。中学校や高校の英語の授業で英語を学んだ方は、比較級を学習した時に、「Lessは不可算名詞に使い、Fewは可算名詞に使う」のではないでしょうか。

 つまり、「日本とアメリカでは、日本のほうが人口が少ない」は、Japan has fewer people than the U.S.と言うわけです。Fewを使う理由は、Peopleが可算名詞だから。

「わかってもらえること」が先決

スマートフォンを持つ外国人の女性

 しかし、ネイティブスピーカーの中には平気でLessを使う人がいます。「より少ない」はすべてLessなのです。そして、「より多い」は不可算名詞でもMore。日本の英語の授業であれば、すべて減点対象でしょう。

 このように、ネイティブスピーカーでも誤用があるということを目の当たりにして生活していると、優先順位に気づかされます。第2言語として英語を喋る身としては、まずは「伝えること」や「わかってもらえること」が先決です。

 正しさを追求して、コミュニケーションができなくなってしまっては仕方ありません。ですから、まずは伝え、わかってもらうこと。その後に正しさです。

「ネイティブスピーカーでも間違えるけど、自分は正しい英語を喋ろうとしている」という自負感は、ワンレベル上のグローバルコミュニケーションでは、意外と価値のあるものかもしれません。

<TEXT/木内裕也>

会議通訳者、ミシガン州立大学研究者。アメリカ大衆文化、アメリカ史の研究を行うほか、国際一流企業、各種国際会議などの通訳を行う。またプロサッカーの審判員としても活躍。著書には『同時通訳者が教える 英語雑談全技術』『耳と口が英語モードになる同時通訳者のシャドーイング』(ともにKADOKAWA)など多数。英語で仕事をする人の応援サイト「ハイキャリア」にも執筆

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