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毎日トイレ掃除で疲弊。教員からITベンチャーに転職した27歳男性の悲劇

コラム

教育現場からベンチャーでの仕事とは?

 そんな“非効率すぎる”現場を目の当たりにして、岩田さんは転職を決意。教育現場にITで変革を起こそうと、教育系スタートアップへの就職を目指します

「実は、大学時代にIT系の会社でインターンをしていてそっちの方面にも多少知り合いがいたんです。それで教育系IT企業ではそこそこ有名なスタートアップに就職しました。思い返せば、教育業界って、就活のときからとことんアナログなんです。履歴書も全て手書きじゃないとダメ。なので、教員の仕事をITでバックアップする仕事に就こうと考えました」

 教育系スタートアップへの再就職を果たした岩田さん。実際に学校で教師をしていたというバックボーンを活かそうと密かに野望を持ちながら再スタートを切りました

「就職した会社はベンチャーだったんですけど、すでに大手のベンチャーキャピタルから数千万円規模の資金調達を果たしていたりと波に乗っている会社でした。入社前の話では僕は現場経験を生かしてサービスのブラッシュアップと現場へのマーケティングの主任をやらせてもらうことになっていました」

指示される仕事は誰でもできる雑用ばかり

教育ベンチャー

 入社前には、具体的な仕事内容を知らされていたという岩田さん。しかし、実際に待っていたのはまったく違う仕事でした。

「でも、実際に働き始めたら先輩……っていうかアルバイトの人から指示されて、顧客情報をまとめたエクセルのデータ成型だったり、営業用の媒体資料を印刷するだけのような単純な仕事ばかり。それはまだいいほうで、僕は1番の新人だったので社員なのに毎日フロアの掃除とトイレ掃除、買い出しなどをやらされていました。最初の数週間だけだろうと思っていたのですが、一向に変わる気配はなくて」

 岩田さんは転職してすぐに、このベンチャー企業の真の姿に気づいたといいます。

「本当に社長の引きの強さだけで回っているような会社で、正社員はほとんどいなく、ほぼアルバイトかインターンで運営されていたんです。しかも、社長はベンチャー特有の“熱量バカ”みたいな人で、すぐに『仕事が遅い』『そんなこともできないのか』『仕事舐めてるのか?』『もう今日は掃除して帰っていいよ(笑)』などヒドい言葉をぶつけてくるん人だったんです」

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