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ミュージアムは「地獄跡」のリノベ物件!“日本一の温泉県”で進む地域価値の再発見

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館内で体感した「変化の過程」とは

 続いて1階〈SCENE2〉のテーマは「50年もの地中の旅〜The value of hot springs」。ここでは来館者が自ら「雨水」となり、「温泉」へと変化するまでを体感することができる。

地獄温泉

「雨水」となり、説明を読みつつスタンプを集めながら「地層」のカーテンを潜り抜けて「温泉」へと変化する過程が学べる

 雨水となった来館者は、地中の地層に見立てたカーテンを潜り抜けて「温泉」へと変化しながらポストカードに湯けむりのスタンプを集める。スタンプの中には鉄輪温泉の開祖の1人といわれる鎌倉時代の高僧・一遍上人や、鉄輪の街を闊歩する地域猫の姿もあるのでぜひ探して欲しい。

 さまざまな地層(カーテン)を潜り抜けた先で「温泉」に生まれ変わり、そして完成したポストカードを差し込むと……。

地獄温泉

雨水だったあなたはどんな泉質の温泉に生まれ変われただろうか

映像を通して別府温泉の歴史を学ぶ

 階段(エレベータ併設)を昇り、2階〈SCENE3〉のテーマは「人や文化との出会い〜The diversity of hot springs」。ここにはシアターが設置されており、映像を通して別府温泉の歴史を学ぶことができる。

 シアター内は浴槽をイメージした内装となっているためそこも注目して欲しいが、一番の見せ場は「上映終了後」の演出。さすがは別府、「温泉が持つ力の魅せ方」が分かっているなと言いたくなること間違いなし。

地獄温泉

温泉を模したシアターの内装、そして上映後の演出にも注目して欲しい

 同じく2階の〈SCENE4〉は企画展示コーナー「今、そして未来へ〜The sustainability of hot springs」。開館から1年間はデザイナーの廣川玉枝氏のプロデュースにより市内の火男火売神社などで行われた新たな祭事「地嶽祭神事奉納」の展示が行われている。

地獄温泉

「地嶽祭神事奉納」の展示。衣装は地嶽(地獄)からやってきた来訪神「まれびと」をイメージしたもので、実際に祭事で用いられたものだ。デザイナー・廣川玉枝氏の衣装原案と実物を見比べることもできる

地獄温泉

古い別府みやげの民芸品展示。廣川氏が祭事のために蒐集(しゅうしゅう)した資料も

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