月収70万円も!話題の寿司職人学校で「海外でも稼げるのか」広報に聞く
テストのプレッシャーで上達
修了証明書をもらうためには、試験に合格しなくてはならない。
「技術テストがいくつかあります。握りの正確さとスピードのテスト、アジの三枚おろしのテスト、大根の桂剥きのテストもあります。滅多にいませんが、点数が足りずに修了証明書が出せないこともあります。絶妙な合格点の設定にしています。ですから皆さん真剣に放課後も自主練習をされています。テストが適度な負荷となり、上達を促すツールとしても機能しているのです」
ちなみに、寿司を握る上でやってはいけない作法があるという。
「一度掴んだシャリをお客様の前で桶に戻すのはマナーが悪いとされていて、高級店では絶対にやるなと教えられます。一方で、街場のお寿司屋さんだとやる人もいらっしゃるようです。ただし、手の甲で隠してお客様から見えないようにシャリの量を調整する技を使ったり配慮をされているので、授業ではそんなテクニックもお教えしています。数を握ることで重さの感覚を覚えていきますので、それを繰り返すことが大切です」
生徒の年齢は幅広く、学ぶ目的も様々
受講する人はどんな職業で、何歳くらいが多いのだろうか。
「さまざまな生徒さんがいらっしゃいますね。職業もさまざまで、中華の料理人やフレンチの料理人、ITエンジニアや学校の先生など多種多様です。お寿司屋さんが従業員の研修目的で受講させるケースもあります。年齢は20~60代と幅広いのですが、ボリュームゾーンは30~50代かなと思います。転職、独立開業、海外就職と目的も様々です」
鈴木氏によれば「趣味や教養を目的として受講される方もいらっしゃいます。釣り好きが高じて自分で釣った魚で寿司を握りたい方や、コミュニケーションツールとしてお客さんに振る舞っている士業やコンサルタントの方もいるようです」とのこと。一方で、いざ海外で働くとなっても、一番ネックになるのは言葉の問題だろう。
「海外就職を目指している生徒さんの中にはオンラインの語学教室で勉強されている方もいるようです。どちらかというと、言葉よりも技術力を重視するお店のほうが多いですし、片言でも仕事に支障がない場合も多いです。いちばん大事なのは伝えたいことがあるかどうかだと思います。
伝えたいことがあれば上達は早いと思います。ただし、現地スタッフへのマネジメントや育成能力が求められる場合は、相応の語学力が求められます」