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河合楽器は過去最高益に。楽器業界3社の「V字回復」を支える“海外要因”

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ローランド:多様な電子楽器を生産

 ローランド株式会社は電子ピアノやシンセサイザーなどの電子楽器、ギターエフェクターなどの音響機器を生産する企業です

 電子楽器事業の単一セグメントですが、決算資料では鍵盤楽器(電子ピアノ)、管打楽器(電子ドラム)、ギター関連機器、クリエーション関連機器&サービスのように商品群が分類されており、さまざまな製品を生産していることが分かります。ちなみに海外売上比率は88%もあります。2018/12期から2021/12期までの業績は次の通りです。

【ローランド株式会社(2018/12期~2021/12期)】
売上高:612億円→632億円→640億円→800億円
営業利益:58.5億円→52.7億円→71.2億円→110.9億円
最終利益:30.5億円→26.3億円→43.0億円→85.9億円

電子楽器に加え、DJ関連の製品が好調

ローランド

©Roman

 同社は2014年に上場廃止となったのち2020年12月に再上場を果たしたため、詳細な決算資料が得られるのは2020/12期からになります。2020/12期はコロナの影響で各国の楽器販売店が休業となり、同社の中国・マレーシア工場が一時操業停止となりました。

 しかし、同社が主とする電子楽器は通常の楽器よりも巣ごもり需要が大きく、ECで売れやすいという特徴があり、上記2社のようにコロナ禍で業績は悪化しませんでした。音源を提供するクラウドサービスの拡充にも努めたようです。利益面では販管費を17億円抑えることができ、営業利益は大幅に増加しました。

 翌2021/12期は楽器の巣ごもり需要がさらに拡大し、売上高が大きく伸びました。特にポータブルタイプの電子ピアノのほか電子ドラム、ギターエフェクトが好調だったようです。ステイホームで音楽制作に努める人が増え、DJ関連の製品も伸びました。営業利益、最終利益は増収に伴い前年よりも大幅に拡大しています

 なお同社は今後、従来の音源提供サービスに加え、ユーザー間で音色を交換できるサービスを拡充するなどしてクラウドサービスの需要を伸ばしたいと公表しています。

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