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きっかけは性的な冗談から…“セクハラありきの関係”の上司とどう向き合うか

学び

セクハラ拒絶したら威圧的な物言いに

セクハラ

 筆者が代表理事を務める日本ハラスメント協会では、ハラスメント加害者を更生させるマンツーマンの研修プログラムを実施しています。セクハラ、パワハラをしてしまった、ある受講者のケースを紹介します。

 車で客先を移動中の車内で、男性上司は女性部下に対して「彼氏作らないの?」と言いながら、女性部下の膝を触るセクハラをしました。女性部下は「やめてください」とはっきり男性上司に伝えたところ、翌日から急に業務の細かいところの指摘を威圧的に繰り返すパワハラが始まったということです

 筆者が受講者に、パワハラに至った経緯と本質的な原因を質問したところ「セクハラを拒否されたことがショックで、いつの間にかパワハラに変わっていました」と証言がありました。

加害者の心理状態はどうになっているか

 先にお伝えしたケースのように、「セクハラを拒否された」ことをきっかけにパワハラをした事例は、他の多くの受講者とも共通している部分です。そのため、セクハラで処分されている人はパワハラでも処分されている人が多い結果となっています。

 加害者の心理状態はセクハラを拒否されたことにより、自分自身の存在が否定されたように感じて、悲しみが怒りに変わり、パワハラ行為をすることによって、職場で自分の存在意義を確かめているようです。

 研修プログラムの中では講師と受講者が本音でディスカッションをして、受講者の未熟な部分についても指摘していきますので、当時の感情や葛藤がよく浮かび上がってきます。

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