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天才歌手を世界一に。レコード会社のリアルを気鋭の原作者が描く<漫画>

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 新人漫画家の登竜門として知られる、ちばてつや賞やイブニング新人賞の常連として数々の賞を獲得してきた漫画家のうらたにみずきさん。当時審査員を務めた漫画家たちから「めちゃ才能あると思います」「面白いキャラクターやドラマが組み込まれていて、ドキドキした」と称賛され、弱冠20歳でプロデビューを果たした。

アンサングヒーロー

『アンサングヒーロー』(講談社)

 そんな、うらたにさんが漫画を描き始めたのは、なんと高校を卒業してからだという。今やその才能は漫画家だけに留まらず、漫画の原作者としても発揮され、レコード会社が舞台のアンサングヒーロー』(講談社)や、漫画家を目指す若者たちを描いた『カスミ荘の漫画家志望達』(講談社)など、続々と話題作を手掛けている。

 そこで、うらたにさんに敢行したインタビューを2回にわたってお届けする。前編となる今回の記事では、これまでの歩みを辿りながら、漫画原作者として活動するようになった経緯についても大いに語ってもらった。また、インタビューと共に『アンサングヒーロー』の第1話を一挙56ページ紹介する。ぜひ最後まで目を通していただきたい。

【インタビュー後半】⇒<漫画>漫画家の卵が住むシェアハウス。主人公には誰にも明かせない秘密が

漫画家になるきっかけは「進路相談」

──もともと、小さい頃から漫画家をめざしていたのですか?

うらたにみずき(以下、うらたに):実はそうでもなくて、わりと普通に漫画を読んでいるような子どもでした。まわりの人と同じで、ジャンプ系やマガジン系の漫画を読んで楽しむという感じで。マニアックな感じじゃなくて、王道の作品が好きでしたね。だから、漫画家になろうなんて思ってなかったですよ。

──では、最初に漫画家になろうと意識し始めたのは、いつ頃ですか?

うらたに:高校の進路相談のときなんですよ。

──そのときまで、漫画を描いたことは?

うらたに:ないですね。漫画家になろうっていう気持ちがなかったので。

冗談のつもりが、いつしか真剣な目標に

アンサングヒーロー

『アンサングヒーロー』の舞台はレコード会社の制作部だ

──その進路相談のときに、どうして「漫画家になろう」って思ったのですか?

うらたに:正確に言いますと……。その進路相談の時でも、真剣にめざそうとは思っていませんでした。本当にやりたいって思えることがなくて。進路相談の先生に「なにか好きなものは?」って質問されて、咄嗟に、笑ってもらうつもりで、「漫画が好きです」って言ったら、漫画を学べる専門学校を教えてもらって。

──冗談半分というか、ウケを狙った言葉だったんですね。それで、専門学校には?

うらたに:オープンキャンパスに行ってみると、卒業後の進路について現実的な話をされていたので、とりあえず入学してみようと思いました。あと当時、テレビ番組で浦沢直樹先生の『漫勉』(NHK Eテレ)という番組がやっていて、それを観て「なんか、かっこいいな」って思ったことも、理由のひとつです。

アンサングヒーロー(1)

アンサングヒーロー(1)

舞台はレコード会社「ガイアミュージック」。アーティストの発掘を担う制作部の新人・後免一朗はやる気が空回りし、毎日怒られてばかりの日々。しかしある日、ホームレスの前で路上ライブをする少女・柊木ジャムと出会う。彼女は紛れもなく天才だった。この才能を何としても世に出したい! けど、彼女はあまりにも破天荒な性格の持ち主で!? 熱血スカウトと超問題児アーティストの、型破りな挑戦が始まる!!

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