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旅客機のトイレはなぜ勢いよく吸い込む?ニオイがしない快適な工夫も

 飛行機ほど、好奇心をかき立てられる乗り物はない。何度も乗っていると、つい見過ごしがちになるが、一歩踏み込んで観察すると、飛行機が謎や不思議の宝庫だということに気づくだろう。あの大きな機体には、数々の疑問が詰め込まれているのである。

飛行機

※画像はイメージです(以下同じ)

 なぜ飛行機はいつも1万メートルの高さで飛んでいるのか? 出発時の燃料をあえて満タンにしない理由は? 飛行機にまつわる謎や不思議を網羅した『最新版 飛行機に乗るのがおもしろくなる本』(著・エアライン研究会)より、旅客機のトイレに隠された秘密などを紹介する。

旅客機のトイレに隠された秘密

 長時間のフライトの際にお世話になるのがトイレである。たとえ空の上であろうとも、トイレはできるだけ快適な空間であってほしいもの。旅客機のトイレのシステムには現在、おもに2種類ある。ひとつは、ボーイング747やDC10型機の「循環式」で、もうひとつはボーイング767、787に使われてぃる「バキューム式」だ

 現在では、いずれも水洗式だが、じつは水洗式になったのはジェット旅客機になってからのこと。かつては、汚物タンクに溜め込んで着陸後にタンクごとはずして清掃する汲み取り式だった。そのため、機内に悪臭が漂うということもしばしばあったようだ。

 その後、タンクは機内に固定し、汚物だけ抜き取る方法になった。そしてボーイング707やDC8型機などのジェット時代になって、水洗式になった。循環式は、汚物タンクに溜まった汚物のうち、汚水だけをろ過して水洗用に再利用するしくみで、殺菌、脱臭、着色された青い洗浄剤が入れてある

なぜあんなに勢いよく吸い込むのか?

エアライン研究会

エアライン研究会『最新版 飛行機に乗るのがおもしろくなる本』(扶桑社文庫)

 この循環式ではトイレごとに汚物タンクがついているので抜き取り作業が大変で、しかもろ過用のフィルターに異物などがつまると大問題になるという欠点がある。

 そこで近年では「バキューム式」が主流になりつつある。これは、機内と機外の気圧の差を利用したもの。前述したように、高度1万メートルでは、機内は0.8気圧で、機外は0.2気圧である。トイレと汚物タンクを結ぶパイプは機外に通じていて、この気圧差を利用する

 空気は気圧が低いほうに流れるので、トイレと汚物タンクをつなぐパイプの気圧を下げておき、洗浄スイッチを押すとパイプが開いて汚物が気圧の低いタンクのほうへまっしぐらに流れていくしくみだ。掃除機でゴミを吸い込むようなイメージである。これなら汚物タンクは後方に1か所だけでいいので、抜き取り作業も簡単

 汚物と一緒に周囲の空気を吸い込むので臭いもなく、より快適な空間になる。トイレにも、飛行機ならではの工夫が隠されているのだ。

最新版 飛行機に乗るのがおもしろくなる本

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