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携帯が鳴りっぱなし…「ゆるキャラ1位」獲得のすごい効果を当事者が語る

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疲れすぎて本当に元気なかったイベント

しんじょう君

しんじょう君をアテンドするある日の守時健さん

 しかも、しんじょう君は安全のため段ボールから出られず、当然免許も持ってませんから、運転も代わってくれません。私が12時間運転に集中し続けなければなりませんでした。イベントに行けばイベントに集中するわけで、当時は「ダルそうな公務員」とか「元気のない元気創造課職員」とイジられていましたが、疲れすぎて、本当に元気なかっただけなんですよね。

 じゃあ一体何がこの頃の私を突き動かしていたのか?「何やってもダメ」と自分たちで自虐してしまう須崎市に「全国で戦えるモノを私がつくってみせる!」という想いでした。ゆるキャラが成功すれば、全国に須崎市の名前を知ってもらえ、観光誘致とか市民の誇りをつくることができる。

 いまの自分が頑張ることで未来の自分を救える! と、頑張っていたわけです。そして、岐阜市柳ケ瀬商店街の非公式キャラクター・やななが商店街ツアーなどを企画して柳瀬を盛り上げている姿に触発された私は、どうにかゆるキャラで地元に人を集めることに成功。

 しかし人を集めたところで、須崎の商店街はほとんどシャッターが閉まっていて、せっかく人が来ても買い物をしてもらえないという現実に気がつくのは、もう少し先のお話です。

<TEXT/地域創生請負人 守時 健>

地域創生請負人。高知県須崎市の市役所職員として新入職員ながら、ゆるキャラ「しんじょう君」を誕生させ、’16年にゆるキャラグランプリ王者に輝く。その後、須崎市のふるさと納税をSNS&ゆるキャラ戦略で1000倍に増やし、地域活性に貢献。現在は市役所を独立し、SNSマーケティングを使った特産品の情報発信を仕掛ける地域商社「パンクチュアル」代表を務める。著書『日本一バズる公務員』

日本一バズる公務員

日本一バズる公務員

彼はいったい何をしたのか――。地域活性化の秘訣だけでなく、モノやサービスをバズらせる仕組み、公務員という枠組みにとらわらず、人生を楽しく、自分のやりたいことを仕事にする方法のヒントが彼の生き方から得られる

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