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京大卒CEO弁護士が「死ぬほど仕事して」気づいた“固定観念の外し方”

ビジネス

死ぬほど仕事→失敗して気づいたこと

山田邦明

山田邦明『クリエイター1年目のビジネススキル図鑑』(KADOKAWA)

――具体的には、どんな経験があったんですか?

山田:死ぬほど仕事をしていたとき、キャパシティを越えて辛くなったことがあって、1か月くらい完全に仕事を辞めて世界から消えていたことがあります。辛くなった理由はひとつではなくて、いっぱいあったんですよね。「ちゃんとしなきゃいけない」「失敗しちゃいけない」って思い込んでいたんですよ。

 でも失敗してもリカバリーしたほうが早いことが世の中にはたくさんあるって気づいたんです。1回失敗して「ごめん」ってちゃんというだけであとなんにでもなる。それに気づいてからは、めっちゃ生きるのが楽になりました。

――意外と社会っていい加減でもいいんですよね。

山田:いざ「完璧」を諦めてみると、世界はすごくファジーなものだって気づいたんです。自分で勝手に失敗を怖がっていただけだった。例えば、確定申告を完璧にしなきゃいけないって思っていたら、確定申告を完璧にする方法を学ばなきゃいけないんですけど、「失敗した分お金払えばいい」って考えたら楽じゃないですか。

 人を傷つけたり損害を与えたりはしちゃいけないし、法律違反はしないほうがいいけど、間違えたら謝ればいい、罰金を払ったり損害賠償に対応すればいいと割り切ると、ちゃんと守らなきゃいけないことは世の中にあまりないんですよ。自分が大事にしたいことだけを大事にすれば、あとはどうにでもなるんです。そう考えるようになってからは楽になりました。嫌なこともありますが、「あ、嫌なことが来たな」っていうメタ認知ができます。

固定観念を外してみると自由になれる

――私も、嫌なことあると「よしネタができた」って思います。どうしたって嫌なこともいいことも起こるわけだけど、その嫌なことをどう消化できるかがポイントでしょうか。

山田:結局、それを嫌だって思っているのは自分だけなんです。その嫌だって思っているところに自分のこだわりや固定観念があるんですよね。例えば、お金を持っていることを自慢してくる人にイラっとするなら、何らかの感情がそこにあるんですよね。例えば「お金持ちは謙虚であるべきだ」という価値観を持っているのかもしれない。

 でもその価値観を一回心の中からはずしてみると、自慢してくる人のことがどうでもよくなるんですよ。そうやって、「どうでもいい人」がいっぱい出てきて、腹が立たなくなる。一個ずつ固定観念をはずしていくと、より自由になれるんですよね。

クリエイター1年目のビジネススキル図鑑

クリエイター1年目のビジネススキル図鑑

漫画家、動画配信者、音楽制作者、イラストレーター、ライター etc.あらゆるクリエイターが「だれに聞けばいいかわからない…」と悩むビジネスのはじめの1歩を、クリエイターのビジネス支援を行う著者が、図解で解説

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