「忙しい」を連発するのは気の毒な人。少しの時間を上手く捻出するには
仕事ができる人は忙しいと言わない
ここまで次のような長期的な考え方を説明してきました。
○自分の人生のゴールを考えてみること。
○いい人生を効率的に送るためには、高い志を持つこと。
○信用構築には時間がかかること。
○自分への投資として時間がかかってもやるべきこと。
○思っているだけでは時間の無駄であり、行動しないと始まらないこと。
○企業的理念や計画性を個人に当てはめてみること。
○人脈作りには時間がかかるが、それは人生にとって大切なこと。
ここからは、短期的な時間術のスキルについて触れてみたいと思います。多くの時間術の本は、主にこれについて語っています。私は、仕事ができる人をたくさん見てきましたが、そういう人は「忙しい、忙しい」とは言いません。むしろ、できない人のほうが忙しいと言う傾向があると思います。
幸せも運も遠ざかってしまう
忙しいという言葉を使うのは、私はおすすめしません。「心を亡くす」と書いて「忙しい」ですから、幸せも運も遠ざかっていきます。忙しいというのは、以下のどれかです。
1、自分ができる人だと勘違いしているのか、忙しいということを他人に誇っている。
2、忙しいという言葉で、ほかの仕事を受け入れたくないという意思表示をしている。
3、将来何かが起きたときの予防的言い訳。「忙しかったから~できなかった」
カール・ヒルティは、『幸福論』の中で「時間を得る法」という項目をあげて説明しています。「時間がないというのは正式にきまっていない義務や仕事からのがれようとするとき、最も普通に用いる便利な口実であり、また事実上、実にもっともらしさのある言い分である」
またこうも言っています。「なぜ自分が終日忙しいのか、全く知らない人が非常に多い。また家にはどんな大きな仕事が彼らを待っているかのように、忙しく街路を急ぎ、電車の中や劇場で人を押しのける閑人達も中々少なくない。彼等はまさしく全般の流れに従うのである。
人は実際しばしば、時は地上で最も高価な容易に得がたいものだと信じなければならぬようである。(中略)そのための第一の要件は慥(たし)かに、一般の潮流から無意思のまま押し流されることなく、むしろこれに抵抗して、自由の人として生活せんとする決心であって、仕事にもせよ享楽にもせよ、決してそれらの奴隷となってはならないのである」