「忙しい」を連発するのは気の毒な人。少しの時間を上手く捻出するには
少しの時間を捻出する方法
やめると思うとなかなか決断できないかもしれませんが、将来の楽しみに取っておくというふうに考えるのも一案です。囲碁、書道、俳句、川柳、大学院入学などは、私の将来の楽しみです。どんな人にも1日24時間が平等に与えられていますが、どううまく時間を使うか、どう時間を作るかによって、どれだけやりたいことが実現できるかが変わってくると思います。
あるIT会社の新人20人ほどが参加した研修でのこと。ゲーム好きが転じてITエンジニアを目指す人がほとんどでした。1日3~4時間もゲームに没頭しているという人も少なくありません。
私は、仕事を覚えること、目の前の仕事をきちんとすること、顧客や上司から信頼を勝ち取ること、知識を増やすこと、新しいことに挑戦すること、社内だけではなく社外の人とも付き合うこと、会社と自分の将来を考えること、本を読むことなどを伝え、新人たちもそれらの重要性を十分に理解してくれました。
実際に本を読もうと思うだとか、新聞を毎日読みたいと思うなど具体的な意見が出てきましたが、「本当に実行可能ですか?」という私の質問に即答できる人はいませんでした。あれもこれもやりたいという気持ちがあっても、時間がなければ実現できません。ドラッカーは「やめることを決めて残った重要な仕事をせよ」と言っていることを説明し、前述したような自分の若い頃の経験も披露しました。
2次会に行かない友人もいる
すると新人たちは、「ゲームの時間を半分にして、読書をします」「やりたいこととやるべきことをしっかり考えます」と言ってくれました。自分流を貫くもの立派です。2次会には行かないと決めている人もいます。私の元の会社の先輩で評論家の寺島実朗さんは、夜の食事会には参加されても2次会には行かれません。帰って毎日執筆をされています。
ほかにも2次会にはいかないという尊敬している友人がいます。「そう昔から決めていますので」と笑顔でお詫びをしながら、さっさと帰ります。周りはそれを知っているので、そういうものだと納得しています。
私は、これができない人間です。体調が悪くない限り、3次会でも、ほとんど最後までいます。その日は徹底的に楽しむというふうに決めているからです。先の2次会に行かない友人は、しっかり決めているから周りが理解をするのです。いつも1次会で帰るから、またそれがぶれないからいいのです。自分で決めて、自分の遊び時間も仕組み化しているのです。