1000円で和定食が楽しめる。磯丸水産に聞く「脱・居酒屋」成功のカギ
「箸を使わない」メニューで新規層を狙う
また、新規層の取り込みを強化するため、4月12日からテイクアウト限定商品の新メニュー「DON-IRAZU(丼いらず)」を発売した。先行販売で、磯丸水産食堂の3店舗(新橋烏森通り店・自由が丘しらかば通り店・吉祥寺北口店)と、磯丸水産の3店舗(武蔵小杉南口店・大宮西口店・上野6丁目店)で販売する。
同商品は海鮮丼ぶりをおにぎりのようにサンドにして、箸を使わず片手で手軽に食べられる。見た目は、コンビニで売られているスパムおにぎりのような形だ。味は「まぐろとねぎトロ」「サーモンとサーモンネギトロ」「エビエビタルタル」の3種類。これまでにない形態の商品として、女性を中心とした新規の利用者を狙う。
生き残っていくために何でもやる
「定食やテイクアウトで新種のメニューを出しつつ、従来の『店内で焼き物が食べられる』というブランドイメージやコンセプトも保ち、既存のお客様が離れないように意識しています。(定食の値段については)正直ギリギリなメニューもありますが、昼も夜も同じ魚を使うなど、仕入れを工夫することでコストを抑えています。コロナ禍で生き残っていくためになんでもやっていきます」
磯丸水産に比べてメニューのラインナップを増やして、長期化するコロナ禍で活路を見出す磯丸水産食堂。ユーザーの来店目的を広げることで、女性客や主婦層を中心とした新規層の獲得にも成功した。今後は状況を見つつ24時間営業の店舗を増やし、さらなる利用客の獲得を狙う。
<取材・文/佐藤隼秀 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>>