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超ローカルな鳥取県の町営ケーブルTVが、「NHK以上の満足度」を得るまで

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 過疎化や高齢化は日本社会が抱える大きな課題だ。とりわけ経済・産業活動の縮小が著しいのが地方である。さまざまな対策が各自治体で講じられているが、日本で一番人口が少ない県・鳥取県ではある興味深い取り組みが行われている。

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県庁に日本財団鳥取事務所を設置。中央が平井伸治知事、左が筆者

 それが日本財団が鳥取県と2016年に発足した「みんなでつくる“暮らし日本一”の鳥取県」の共同プロジェクトだ。日本財団の鳥取事務所所長として本プロジェクトにかかわってきた木田悟史氏は、2016年より鳥取県に移住し、住民たちとの交流を重ねるなかで2022年までの6年間で、250を超えるプロジェクトを推進してきた。そこから見えたキーワードは「濃いつながり」「おせっかい人材」「学びの場」だという。

 今回は木田氏の著書『みんなでつくる“暮らし日本一”「鳥取県×日本財団共同プロジェクト」から学ぶまちづくりのヒント』の内容から、実際に推進されたプロジェクトのひとつである「大山テレビ部」を紹介したい(以下、同書より一部編集のうえ抜粋)。

参加したくなる、おらがまちのケーブルテレビ

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町民が制作の裏方としても活躍

 2016年、「鳥取県×日本財団共同プロジェクト」では「大山テレビ部」に助成をしました。ケーブルテレビを活用してまちと人、人と人とのつながりを再構築しようという点に新しい魅力を感じ、また人材育成、つまりは、「若い世代のあんなことしてみたい、チャレンジしてみたい!を応援・実現していく」「たくさんの人を巻き込んでいく」というビジョンに共鳴をしたからです。

 では「大山テレビ部」では具体的にどんなことをしているのでしょうか? ひと言で言えば、町営のケーブルテレビ「大山チャンネル」の制作スタッフとして関わって、モノづくりの楽しみを知る、自分たちのまちの魅力を発信する、たがいのコミュニケーションを深める……そんな活動です。

お荷物だったケーブルテレビの変革

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町民がレポーターになったりすることも!

 ここでケーブルテレビ「大山チャンネル」と「大山テレビ部」を少し整理しましょう。「大山チャンネル」は鳥取県大山町が運営するケーブルテレビ。大山町の多くの世帯が契約をしていて原則は大山町エリアでのみ視聴が可能です。「行政の情報をタイムリーに伝える。地域資産(風景や祭りなどの行事)を映像化する。地域のコミュニケーションツールにすること」などを目的に開設したケーブルテレビ局です。

 しかし、それがほんの7年前まではしっかりと活用されていませんでした。「伝える」ツールとして期待されていたのですが、番組制作の担当が役場の人ということもあり、正直コンテンツが魅力的なものではありませんでした。テレビといいながら文字だけの情報も多く、あるいは町議会の様子や町長の施政方針などをほとんど同じアングルでずっと流しているのを、積極的に見たいと思う人がどれだけいるかということですね。

 2005年に3町合併(大山町・名和町・中山町)を契機に約30億円をかけて光ファイバーの整備をし、ケーブルテレビを生かし充実させるハード面は整えました。しかし、それをうまく生かすことができないまま、年間1100万円ほど(当時)を支出する番組制作に対して、どれだけの効果があるのかが町議会などでも問題となり、いわばお荷物となっていたわけです。

みんなでつくる“暮らし日本一”「鳥取県×日本財団共同プロジェクト」から学ぶまちづくりのヒント

みんなでつくる“暮らし日本一”「鳥取県×日本財団共同プロジェクト」から学ぶまちづくりのヒント

キーワードは「濃いつながり」「おせっかい人材」「学びの場」!“暮らし日本一”をコンセプトに推進されたプロジェクトでは何を拓き、何を成し遂げ、何を学んだのか?6年間にわたるその全貌は多種多様なヒントに溢れている

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