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小学校の給食は「人間国宝の茶碗」で。鳥取県がめざす“日本一”の食育

ビジネス

受ける側の心がないと台無しに

鳥取県

自分のだとわかるように茶碗に目印を入れています

 海外旅行の新人添乗員のエピソードとして、「五つ星ホテルでお客さまといっしょにその土地土地の食事をとるので羨ましいと言われるけれど、皆さんの食事の進み具合とかあれこれ次の予定を考え、とりあえず口のなかに入れるという食事なので、どんな料理だったのかほとんど記憶がない。おいしいと感じる余裕などない」というものがあります。

 どんなにおいしい、あるいは心を込めてつくられた食事でも、受ける側の心がそこに向いていなければ台無しになってしまいます。コンビニで買ったお惣菜でも急いでそのままかき込むようにして食べるのと、お皿に移してきちんと食べるのでは味が違ってくるようにも思えます。

「食育」というと食材や料理法に目が行きがちですが、どんな心構えでいただくか、お箸や、ナイフ・フォークをどう使うか、あるいは器はどんなものを……そこも踏まえたのが「食育」であることを、この西郷谷の取り組みが改めて教えてくれました。

<TEXT/日本財団鳥取事務所所長 木田悟史>

公益財団法人日本財団鳥取事務所所長。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、日本財団入団。総務部や助成事業部門を経て、NPO向けのポータル・コミュニティサイト:通称「CANPAN」(カンパン)の立上げに関わり、企業CSR情報の調査等を担当。2011年に発生した東日本大震災発災後は支援物資の調達や企業と連携した水産業復興支援事業のため、約3年間東北地方と関わる。著書に『ゆたかさのしてん――小さなマチで見つけたクリエイティブな暮らし方』(今井印刷)がある

みんなでつくる“暮らし日本一”「鳥取県×日本財団共同プロジェクト」から学ぶまちづくりのヒント

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キーワードは「濃いつながり」「おせっかい人材」「学びの場」!“暮らし日本一”をコンセプトに推進されたプロジェクトでは何を拓き、何を成し遂げ、何を学んだのか?6年間にわたるその全貌は多種多様なヒントに溢れている

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