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19年連続赤字をどう脱した?「レッドロブスター」に聞く日本上陸40年の苦労と成功

ビジネス

「ロードサイド重視」の出店戦略

レッドロブスター

パスタもグランドメニュー内で好評を博しているという。写真は「ワタリガニのトマトパスタ」

 現在のレッドロブスターは、地域に根を下ろした形で店舗を運営している。東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県に30年以上続く店舗が多く、逆に首都圏以外への多店舗展開はあまり行っていないような印象だ。出店場所について、益岡氏は「綿密に計画しながら出店する立地を決めている」とし、次のように説明する。

「関東圏の認知度は9割くらいに上りますが、関西や東方地方などでは、レッドロブスターを聞いたことがないお客様がほとんどなんです。そのため、出店戦略としては『ロードサイド』と『商業観光立地』の2軸で考えています。ロードサイドは地元の方を中心に、家族連れのお客様に親しまれています。

 30年間営業していると、3世代にわたって通ってくださるお客様もいて、『ハレの日は毎年レッドロブスターで』という使い方が根付いています。ロードサイド店舗は、だいたい8割くらいの方がリピーターのお客様で構成されていますね」

テーマパーク隣接の店舗は苦労も

 その一方で、誤算だったのが関西圏の商業観光立地への出店だったという。

「新規のお客様や観光客を取り込むため、人が多く集まるテーマパークや商業施設に出店していて、今ではハウステンボス(長崎県)、ユニバーサル・シティウォーク(大阪府)、舞浜イクスピアリ(千葉県)の3つが代表的な店舗になります。イクスピアリの店舗は、もともとレッドロブスターの認知が定着していたこともあって初年度から好調でした。

 しかし、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に隣接するユニバーサル・シティウォークの店舗は、当初見込んでいた集客数に及ばず、オープンから3年はかなり苦戦しました。大阪ではレッドロブスターの名前が浸透していなかったこともあり、客足が伸び悩んでしまったんです。

 それでも、コストパフォーマンス良く感じるようにメニューの見せ方を工夫したり、インバウンドの取り込みを強化したりと、試行錯誤したことで次第に繁盛するようになっていきました」

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