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R-1決勝進出のピン芸人が語る、今も“塾講師”を続けるワケ「下ネタは絶対できない」

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ザコシショウの指摘を真摯に受け止めた

寺田寛明さん

――R-1には2年連続で出場されていますが、2021年大会と2022年大会で意気込みに変化はありましたか?

寺田:昨年は初めての出場だったので、ずっと緊張しっぱなしでした。それでも「さすがに最下位は取らないだろう」と思っていたので、ふたを開けてみたらまさかの最下位で……。びっくりしましたね(笑)。そんな結果を経て、今年はもっと爆発力のあるネタを作らなくてはダメだという意識に変わりました。

 僕は本当にスベることが苦手で、結構しっかり落ち込んじゃうんですよね。でも、それを乗り越えなくてはいけないなと。2021年大会のネタは、どこでやっても7~8割くらいのウケを取れるネタだったのですが、どこでも手堅くウケるネタをやっていれば、スベらないけれど、すごくウケることもきっとない。

 だから2022年大会では、より大喜利的に、しっかりウケる部分を用意したネタで臨みました。でも、今年は今年でザコシさん(ハリウッドザコシショウ)から「テレビで見てる人を意識する何かが欲しかった」という指摘をいただいたので、またひとつ、クリアしなくてはならない課題が生まれたと感じています。

無表情は「緊張しているから」

――ハリウッドザコシショウさんの審査コメントを受けて、寺田さんの率直なお気持ちを聞かせてください。

寺田:実は僕、ネタをやるときにすごく緊張してしまうんです。決勝のときはもちろんなんですけど、テレビの収録でも、フリップをめくる手が震えそうになるのを隠すことに必死で……。ザコシさんから指摘されたのは、自分のそういう部分だったのではないかと思います。確かに、自分とフリップの範囲内だけでネタをやってしまっている自覚はありましたから。

 あと、よく勘違いされるんですけど、無表情でネタをやっているのも決してわざとではなくて、緊張しているからなんです。できることなら、僕だってニコニコやりたいですよ。でも、わざと笑顔を作っても引きつっちゃいますしね。緊張に勝たなくてはと思います。

<取材・文/渡辺ありさ 撮影/田中すみれ 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

【寺田寛明】
1990年、埼玉県草加市生まれ。マセキ芸能社所属。高校2年生からお笑いをはじめ、大学在学中にはフリーとしてライブに出演。2014年よりマセキ芸能社預かり、2020年より正式所属となる。現役の塾講師でもある。R-1グランプリ2021で初の決勝進出を果たし、翌2022年にも決勝に進出している。
Twitter:@teradann
note:寺田寛明

1994年生まれ。ライター、タレント。アイドル雑誌「楽遊IDOL PASS」の編集を経て、「週刊プレイボーイ」「pop’n’roll」等で執筆。EX「全力坂」MXTV「真夜中のおバカ騒ぎ」等出演
Twitter:@Arisaaa_w

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