「させていただきます」はNG?仕事ができない人のメールの特徴をプロが指摘
手軽ではあるが、例文引用は悪手
文章を考える時間を節約するために、ネット上からそのシチュエーションに適した例文を引用するビジネスパーソンもいる。しかし、平野氏は「無暗にコピペするのは望ましくない」と口にする。
「例文はケースごとに載っており、ある程度は細分化されています。しかし、ビジネスでの対応は千差万別。今送るべき内容がそのまま記された例文はほぼ見つかりません。そのため、例文をアレンジするセンスが必要になり、それ以上に引用する例文を選ぶセンスも求められます。
例文の文章は仰々しいものも珍しくなく、文章力のない人がアレンジしたり引用したりすると、余計に読みにくい文章になりかねない。結局、文章力やセンスは文章を書かなければ身に付きません。例文を探すこと自体時間がかかるため、読み手のためだけでなく自分自身のためにも、例文に頼らずに自分で考えて書くほうが良いでしょう」
「させていただきます」の多用、例文からの引用など、読みにくいビジネスメールの特徴を常日頃から使用しているビジネスパーソンはドキッとしたのではないか。これらを気をつけるだけでも、メールに関するトラブルはかなり減らせそうだ。
<取材・文/望月悠木 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>
【平野友朗】
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事。筑波大学人間学類(認知心理学専攻)卒業後、広告代理店勤務を経て、2003年、日本で唯一のメルマガ専門コンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。ビジネスメール教育の第一人者として知られ、メディア掲載は1,500回以上