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「爆撃なんて怖くない」と笑う子供も…ウクライナ入りしたジャーナリストが語る“戦争のいま”

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いつまでロシア軍の凶行は続くのか

ウクライナ

キーウとの中継地点で出会ったイルピンから避難した子供たち

 一方、対照的なのがロシア軍による虐殺が明るみになったブチャや、その北西に位置するボロディアンカ。

「ブチャでは300人近くの民間人が殺されたと言われており、埋葬地にはいまだ多くの身元不明の遺体が穴に一時保管されている。3月12日に陥落し、2週間以上も占領されていたこともあって、ロシア軍を象徴する『V』の字が書かれた民家も数多く見られました

 それ以上にひどい惨状なのが、ブチャから20km離れたボロディアンカ。半分以上の建物が破壊され、今も多くの遺体が瓦礫の下に埋まっている。運よく生き残った高齢の男性は『ロシア軍のヤツらは私に、モルドバから来たとウソをついた。こんなひどいことをしておきながら、責任を人になりつけようとした』と怒りを滲ませていました。ロシアは民間人虐殺をフェイクだと否定しているが、フェイクを語っているのは紛れもなくロシアです」

 果たして、いつまでロシア軍の凶行は続くのか……? カオル氏は「私が暮らした香港は北京政府による“中国化”を阻止できぬままですが、ウクライナはロシア軍を追い出せる。そう思わざるをえない」と話すが……人々が平和な日常を取り戻すには、まだ時間がかかりそうだ。

<TEXT/池垣 完(本誌) 撮影/Kure Kaoru>

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