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ライオンの口臭ケア“NONIO”、売上好調の背景に「予想外だったパンデミック」

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 コロナ禍の長期化でマスク着用が日常的になっているなか、健康意識もより一層高まっている。口臭や口内環境の改善に取り組む人も増え、オーラルケアにも関心が集まっている状況だ。

 そんななか、2017年に発売して若年層を中心に支持されているのがライオンの「NONIO」である。毎日の口臭ケアをサポートするブランドとして成長を遂げ、国内市場をけん引してきた。

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ライオン株式会社 ヘルス&ホームケア事業部 オーラルケア事業部 ブランドマネジャーの青木智弘氏

 今回は、ライオン株式会社 ヘルス&ホームケア事業部 オーラルケア事業部 ブランドマネジャーの青木智弘氏に、若年層を取り込むコツやオーラルケアへの意識変化について話を聞いた。

オーラルケアに無関心な若者を振り向かせる

 青木氏はNONIOを開発した背景について、2つの理由を掲げた。

まずひとつはオーラル市場の活性化を図るためにNONIOを開発したことです。将来的に人口減少が進み、市場自体の縮小が懸念されるなか、オーラルケア商品の購入における単価アップが鍵になると考えていました。ただ、40~50代のシニア層のように歯周病などの疾患を抱えている割合が少ない若年層は、オーラルケアへの意識が希薄ゆえ、歯磨き粉や歯ブラシといった商品に関心を示さない傾向がありました。

 オーラルケアに費やす金額も少ない状態でしたので、市場活性化を狙える若い世代にも満足してもらえるようなものを開発すればいいのではと思ったんです」

会話が弾み、対人コミュニケーションが円滑に

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NONIOの商品ラインナップ一覧

 しかし、オーラルケアへの関心が低い若年層は、従来のような「歯磨きをしましょう」「歯科医へ行きましょう」といった啓発では振り向いてくれない。どうしたら口臭ケアをしたいと思ってくれるのか、最適解を見出せなかったそうだ。

当時、若者は『嫌われたくない』という意向が強く、嫌われないように気を使い、人との距離感を測り続けている状況でした。髪型などの外見やにおいについても気にかけていましたし、特に口臭は、他人ならまだしも、自分のことはわかりづらいので悩みも大きい。

 そこで『NONIO』を使うと口臭が抑えられ、会話が弾み、対人コミュニケーションが円滑になる、という若者の関心事に寄り添ったポジティブな体験の提案にたどり着いたのです」

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