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あぁ無情…ペットの死に「婚活アプリ」で寄り添ってくれたやさしい男性の正体

コラム

ついに男性と直接会うことになって…

「論史さんは、こちらの話を聞き出すようなことはしませんでした。自分自身も3年ほど前に愛犬を失くした経験があると話してくれ、とてもツラかったのだとか。そのうち、愛犬あるあるなんかでも盛り上がって、気づいたら明け方ちかくになっていました」

 そんなとき、論史さんが「コロの亡骸をいっしょに供養しよう」と提案します。論史さんに会えるという喜び。そして、1人では決心がつかなかったであろうコロとの正式なお別れ。ちょうど翌日が仕事休みだった相川さんは、待ち合わせに応じることにしたのです。

 泣きはらして腫れた目の周辺を隠すために少し厚めの化粧をし、黒っぽい色を選びつつも、オシャレには気を配ったと言います。胸を躍らせて待ち合わせ場所で待っていた相川さんでしたが、そこに現れたのは、スーツ姿の論史さんだけではありませんでした。

「男性がもう1人いて、『このたびは、弊社に葬儀をお任せくださるとのこと、ありがとうございます』と言われたのです。最初は全然ワケがわかりませんでした。よくよく話を聞いてみると、論史さんは、ペット葬儀社の社員だったことがわかったのです」

ペット葬儀社の社員でショック

葬式

 たった1日だけのやり取りに運命を感じて浮かれてしまった自分自身が恥ずかしく、断るに断り切れなかった相川さんは、いちばん安いプランで葬儀を頼んだと言います。葬儀プランが決まったあとは、論史さんからの連絡は一切ないとのこと。

「運命まで感じていた自分が恥ずかしいですし、情けないです。むこうは全部、最初から自分の営業成績のためだったのでしょう。でも、コロが亡くなったことで心が弱っていた私にとっては、頼りがいのある魅力的な男性に映ってしまったのです」

 いまでは、コロのことを思い出そうとすると論史さんとの出来事が思い出され、嫌な気持ちになってしまうという相川さん。人間の喜怒哀楽につけ込もうとする人間も多いので、平常心ではないときほど気をつけて行動したいものですね。

<TEXT/山内良子 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

-[動物・ペットの忘れられない話]-

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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