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花畑牧場でも「外国人労働者のトラブル」なぜ相次ぐ、原因と対策は

ビジネス

国が許可や認定の取り消しも

法務省

東京霞が関 法務省の庁舎

 法務省と厚生労働省は2022年2月25日付けで管理団体1社に対し、許可の取り消しを通知しました。同日付けで別の管理団体1社に対しては改善命令を、さらに出入国在留管理庁と厚生労働省は、同日付けで約20社に対しても技能実習計画の認定の取消しを通知し、厚生労働省のホームページに会社名を公表しました

 技能実習生に関する事件が相次ぎ、メディアで大きく報道されてから、国は厳しく実態を調べて対処したと考えられます。今まで国の対応は甘かったと言わざるを得ません。それでも事件が表沙汰になったことで悪質な管理団体、受け入れ先企業が排除され、技能実習制度が改善に向かうことは今後にとって良いことです。

 ハラスメントに関して言うと、実は日本より外国のほうが法律や対策は進んでいます。だからこそ日本で働く外国人にとって、ハラスメント対策が遅れている日本の企業、日本人の意識、そのギャップがトラブルに発展する要因である可能性もあります。

 外国人労働者は日本人よりもハラスメントに遭いやすい立場にあります。管理団体、受け入れ先企業はそれをわかっているにもかかわらず、外国人労働者の人権が守られる体制構築をこれまで怠っていました。そこに労力をかけてこなかった分コストは抑えられていたわけですから、その利益を差し引いてでも対策の強化に舵を切ることが望ましいでしょう。

対策はダイバーシティ経営がカギ

「ダイバーシティ」とは性別、国籍、高齢者、障害者を問わず多様な人材の才能を最大限発揮できる環境を提供し、イノベーションにつなげることを指します。

 ダイバーシティ経営をうまく確立させることで、技能実習生や外国人労働者の活躍の幅は広がります。日本人にとっても良い刺激になるでしょう。ダイバーシティ経営を進めるにあたり、経営者の発信は最も大切ですが、一緒に働く同僚がその方向性に賛同、協力することが必要不可欠です。

 その中でもハラスメント対策は必須です。筆者が代表理事を務める日本ハラスメント協会では、外国語に対応した相談窓口設置の依頼が以前に比べて増えています。人権尊重、多様な人たちの働き方を認め合うダイバーシティ経営が必要な時代が近づいています。

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