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評判作『大怪獣のあとしまつ』実現まで苦労と思わぬ反響。松竹×東映Pが語る

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 日本を代表する映画会社の松竹と東映が、創立以来となる初タッグを組んだ映画『大怪獣のあとしまつ』が全国公開され、初日から評判を集めています。

大怪獣

松竹・中居雄太プロデューサー(左)と、東映・須藤泰司プロデューサー

 歴史的なタッグが今なぜ実現したのか。松竹の中居雄太プロデューサー(36歳/『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』、『一度死んでみた』ほか)と東映の須藤泰司プロデューサー(53歳/『相棒』シリーズ、『探偵はBARにいる』シリーズほか)を直撃。本作実現までの裏話や初日の反響について、イチ会社員でもあるおふたりの信条を聞きました。最近増えている、俳優が映画監督やプロデューサーを務めることへの率直な感想も。

身近にシャレを分かってくれる大人がいた

――松竹、東映が初めてタッグを組みました。そもそもの経緯を教えてください。

須藤泰司P(以下、須藤):最初に企画に上がったのは2014年の末ごろでした。別の企画で東映に来ていた三木聡監督が、雑談で「怪獣って倒したあとは、どう後始末してるんでしょう」と。「面白いからプロットにまとめてください」と言ったら、1~2か月で上げてきてくれたんです。

 そこから実現に向けて、僕ひとりであっちに持って行ったり、こっちに持って行ったりしていました。でもどこも「すっごく面白そうですね」のあとに、「ぜひ観に行きます」って言うんですよ(苦笑)。

 どうしようと思っていたときに、前から個人的にも付き合いのある松竹のプロデューサーに持っていったら、「面白そうですね」に続けて、「一緒にやりましょう!」とその場で言ってくれたんです。それが2019年で、そこから具体化していきました。こんな身近にシャレが分かってくれる大人がいてくれたんだと。そして送り込まれてきたのが中居さんです。

中居雄太P(以下、中居):最初に聞いたときはシンプルにびっくりしました。でもすごく面白そうだとも思いました。『STAND BY ME ドラえもん』『シン・ゴジラ』『新解釈・三國志』といった、みんなが知っている題材を使って、別の切り口でやっていくものがカウンターになっていると考えていたときでもあり、携われて、すごく嬉しかったです。

隣国の報道官の言葉は…

大怪獣

(C) 2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会

――このジャンルでの実現として難しかったことは?

中居:東映さんのお力で、このジャンル、界隈で見事にすごいスタッフさんを集めていただきました。怪獣造形の若狭新一さんは『平成ゴジラ』シリーズのゴジラの造形をされてきた方ですし、特撮監督の佛田洋さんもその界隈で知らない人はいません。

 合成の東映アニメーションの野口光一さんも日本を代表する方、助監督の足立公良さんは『シン・ゴジラ』の助監督もされています。その他各部署にエキスパートが集まっているので、このジャンルをやること自体への不安はありませんでした。

 一方で壮大なパロディ映画でもあるので、三木監督の辛口なテイストをどこまでやっていくかは気を使いました。たとえば隣国の報道官の描写も、やり方によっては国際問題になりかねません。

――確かに攻めてましたね。

中居:あそこは三木監督の発案で、日本語でまずセリフを書いて、それを全部ローマ字に起こして、そのローマ字を逆さ読みさせて外国語に聞こえるイントネーションをつけたんです。

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