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ビジネス

究極のリスクヘッジは起業?

 起業というと「リスクが高い」「借金を抱えて路頭に迷う」というイメージがある方が多いと思います。私は自分が起業家というのもありますが、ことキャリアのリスクヘッジという意味では起業してしまうのが一番安全だと思っています。

 会社員であればさまざまなものが保証されているとはいえ、保証してくれる相手である会社が保証できるほど豊かでなくなってしまえば空手形になります。

 ほとんどの会社が終身雇用を標榜していた昭和の時代ですら、実際に終身雇用を実現した人は3人に1人だったわけです。令和の時代に今、会社が保証してくれているものが必ず保証されると考えるのは少し安易すぎるといえるでしょう。

特定の収入源に依存しすぎない

 となると、今、終身雇用の会社にいたとしても、いつか市場価値を測られるときに自分が満足できる評価を得られる自分である必要があります。起業してしまえば、市場の評価に常にさらされることになりますから、常に自分の市場評価を知っている状態が続きます。また、同時に複数の企業と契約することができますから、相性が良いかわからなくても「とりあえず契約してみて相性がよかったら続ける」といったことが可能です。

 資産運用でもリスク分散が重要と言われますが、仕事においても複数の仕事に同時に取り組み、常にその価値を測りながら、良いものは残し、悪いものは削るということを続けていったほうが、特定のものに依存するより安全性は高いといえます。ここ10年くらいで官民問わず起業するためのサポートが充実してきているので美味しいタイミングでもあります。

収入源

図版は筆者作成

 収入に限らず自立するということは多数の依存先に支えられていることです。収入は長い人生を支える重要な要素です。自らの人生を守るためには、特定の収入源に頼りすぎることなく、いつでも他の選択肢を選べる状態を維持しておくことをおすすめします。

<TEXT/本気ファクトリー代表取締役 畠山和也>

本気ファクトリー株式会社代表取締役、株式会社BYD 取締役。ソフトバンクBB(現ソフトバンク)、リクルート、ラクスルなどで一貫して新規事業に携わる。2014年に本気ファクトリー株式会社設立後は、博報堂や京セラなど大企業の新規事業開発支援と並行して、複数の企業で同時に働くパラレルキャリア人材として複数のスタートアップの役員を歴任。2021年以降、ハンズオンエンジェル投資家としても活動している。編著書に『17スタートアップ』(早稲田大学出版部)

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