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アマゾンに負けない「モノタロウ」、顧客7倍・純利益最高の要因を探る

ビジネス

地道な施策や宣伝が功を奏す結果に

 モノタロウはメーカーから商品を仕入れて在庫を確保し、通販で売り上げるビジネスモデルです。決算資料によると近年は企業規模が拡大し続けており、2017/12期から2021/12期までの業績は以下の通りとなっています。

【2017/12期→2021/12期の業績】
売上高:883億円⇒1096億円⇒1315億円⇒1573億円⇒1897億円
営業利益:118億円⇒138億円⇒158億円⇒196億円⇒241億円
最終利益:85億円⇒95億円⇒110億円⇒138億円⇒176億円

 売上高、利益の拡大は共に顧客数の増加によるものです。検索エンジンに広告を掲載し続けたほか、モノタロウの検索結果を競合より上位に表示するためのSEO施策、カタログやダイレクトメールによる宣伝を続け顧客の獲得に努めました。

 また、新規顧客の増加だけでなく過去に登録した顧客の利用状況も同社の成長に貢献しており、例えば2008年に登録した顧客の売上成長率は2.0%を上回っています。顧客を増やしながらも、その顧客がモノタロウを利用する頻度が高まったため売上高が上昇しつづけました。個人向けECの需要が拡大しているように工場・オフィス向けEC市場も拡大し、その波に乗って事業を拡大させた形です。

ニッチな商品も即日対応

電話をかける

 かつて工場用品を揃えるには各部材を扱う卸業者ごとに問い合わせる必要がありました。それに対して、一括で注文できるモノタロウの使い勝手は抜群です。筆者も勤務先でモノタロウを使っていますが、化学実験で使う特殊な部品でも、ものによっては即日発送で対応してくれます

 2022年2月3日に公表されたばかりの最新2021/12期決算もコロナ禍とはいえBtoB向け通販の市場拡大に乗って売上高、純利益ともに過去最高を記録しました

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