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警察の“騙されたふり作戦”が詐欺だった…2000万円超被害に遭った顛末

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アポ電の順序が逆のケースも

ATM お札

「だまされたふり作戦」の捜査協力を依頼して、お金をだましとる手口は、以前から起きています。

 2019年11月、山梨県の80代女性Bさんは市役所職員をかたる人物から「不審な電話がかかってきたら、コールセンターに電話してほしい」と伝えられます。この電話がある少し前に孫をかたった人物から不審な電話があり、そのことを伝えると、先のAさんとケースと同じく“騙されたふり作戦”への捜査協力をお願いされます。

 数日後に再び、孫を騙る人物から連絡があり、Bさんは捜査に協力するつもりでキャッシュカードを送ってしまいます。結果、2750万円ほどが引き出されてしまいまいした

 このようにアポ電の順序が逆のケースもあります。いずれにしても、警察で行っている本当の“騙されたふり作戦”では、実際のお金や本物のキャッシュカードを用意させることはありません。もし、現金などを用意するように話してきたら、詐欺と思ってください。

巻き込まれてしまわないために

 ここ最近、今回紹介したようなマッチポンプな詐欺が多く起きています。知らず知らずのうちに巻き込まれてしまうと、被害金額が雪だるま式に大きくなる恐れがあります。ぜひとも、この記事を参考にご注意していただければと思います。

 そして実家には、“騙されたふり作戦”のような巧妙な手口をご両親に周知してもらいましょう。見知らぬ電話番号からの着信は取らず、もし受話器を取ってしまったとしても、相手の話す番号には折り返さず「104」にかけるなど自分で調べた番号に電話をかけるようにお願いしてください。

<TEXT/悪徳商法評論家 多田文明>

詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト。これまでの勧誘先への潜入数は100か所以上。あらゆる詐欺・悪徳商法に精通している。多数のテレビ・ラジオに出演し、著書に『ついていったらこうなった』(彩図社)『だまされた!だましのプロの心理戦術を見抜く本』(方丈社)
Twitter:@tadabunmei

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