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30代過ぎて「好きな仕事・やりたい仕事」を追い求める人が直面する危機

学び

「得意なこと」から「好きな仕事」を選べ

 情報としてアップデートされ続ける「好きな仕事・やりたい仕事」を追い続けるのは危険です。キャリアにおける「幸せの青い鳥症候群」になり、あちこち目移りして転職を繰り返す間に、キャリアの賞味期限が来てしまいます。

 偶然、ある仕事をやってみた結果、「好きだ!」と思えた場合も危険です。ただの「下手の横好き」かもしれません。下手の横好きでは楽しくても、評価されません。

 誤解しないでいただきたいのですが、「好きな仕事・やりたい仕事」をするなと言っているのではありません。「売れないアーティストになるな」ということです。やりがいは感じるけど、「稼げない」状態になるなということです。「いつか売れるだろう!」と人生をギャンブルにするのは危険です。

好きな仕事は「ポテンシャルを持っている」

できる30代

『できる30代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)

 では、どうすればいいか。「選択する順番を変えればいいのです」。あなたが「得意なこと、向いていること」から、「好きな仕事、やってみたい仕事」を選べばいいのです。得意なこと、向いていることであれば、他の誰よりラクに速く結果を出せる可能性=ポテンシャルを持っていることになります。

 得意なこと、向いていることでも、「より秀でている人がいる」と嘆く必要はありません。得意なこと、向いていることをいくつか組み合わせれば、オリジナルな存在になれます。たとえば、100m走で一番になれなくても、目がよく球にバットを合わせるのがうまければ、野球で1番バッターや盗塁王を目指す方向もあります。

 自分の得意、向いている=持ち味を活かせる環境を選ぶこと、その方法を知れば、好きな仕事・やってみたい仕事で楽しく結果を出せるようになります。「得意なことをやれ」と言われても「得意なこと、向いていることがわからない」人もいることでしょう。

 実は、得意なこと、向いていることを見つけるのは、非常にやっかいです。無意識でスイスイできることは、自覚しにくいからです。得意なことは、心理学的には「心の利き手」と言われています。利き手を使ってモノを持ったり作業をしたりするのと同じように、自然にできてしまうのです。ちなみに、生まれつき得意なこと、向いていることを「資質」と言います。

できる30代は、「これ」しかやらない

できる30代は、「これ」しかやらない

あなたは、「永遠の作業員」か、それとも「自分らしく活躍する人」か――。「これだけ」にやることを絞り、速くラクに市場価値を高める方法を解説

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