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食費は月700円…激安シェアハウスに住む若者たちの絶望。10畳に2段ベッドが3つ/2021年下半期BEST10

ビジネス

20歳の女性の食事は、薄切りの食パン1枚

 今年9月に20歳の誕生日を迎えた加藤晴菜さん(仮名)は、青森の実家を飛び出し、4か月前からシェアハウスで暮らしている。

貧困

加藤晴菜さん(仮名・20歳)「男性に囲まれてプライベートがないことはまったく気にならない」と話す加藤さん

「中学生の頃から、祖母と母親のケンカが絶えませんでした。父親は我関せずで、2人の鬱憤の矛先は私。精神的に追い詰められて、何度も家出を繰り返しました」

 劣悪な家庭環境から逃げるため、県外の大学を受験したいと母親に嘆願したものの、学費を払えないからと頭ごなしに否定されたという。

「奨学金を満額借りて大学に行くことで納得してもらいましたが、受験日当日に勃発したケンカに巻き込まれて受験会場に間に合わず不合格。1浪して何とか合格を掴んだものの、今度は奨学金と入学の手続きを母親が忘れてしまい、入学が取り消しとなりました

“死”が頭をよぎった

貧困

実家から持ってきた衣類がベッドの端に寄せられて置かれている。「今の生活に不便さはないので貧困なのかな。ここに住めなくなったら次を考えます」

 母親への不信感が募り、またストレス解消のはけ口としての生活が続くと思うと絶望しかなく、“死”が頭をよぎった。そんなとき、Twitterで知り合った3歳年上の男性にシェアハウスに誘われ、キャリーケースに荷物を詰め込み、両親に黙って家を飛び出した。所持金は15万円ほどだったが、この男性がくせ者だった。

「彼はたまに日雇いをするくらいでお金がなく、断り切れずに貸していました。心のツラさを親身に聞いてくれたから信じてしまったのかな。結局彼は、半年以上の家賃を滞納して追い出され音信不通。お金は戻ってきていません」

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