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コロナ禍でライターに転身!「文章を書くなんて余裕」とナメていた男性の悲劇

コラム

「隣の芝生は青い」ということわざがありますよね。これは、青く見えても、いざ隣の芝生へ移動してみるとそれほど青くはない――つまり「他人のものは、実際より良く見える」という意味。仕事選びで、このことわざを痛感した人の体験を紹介しましょう。

パソコン

※画像はイメージです(以下同じ)

 もともと文章を書くことが嫌いではなく仕事で文章を書くこともあったため、新型コロナのニュースが流れる半年ほど前からwebライターの副業をはじめていた大東恭吾さん(仮名・26歳)。ライティングを希望する企業と執筆をしたいライターを結びつけるクラウドソーシングのサイトに登録し、月5万円程度は余裕で稼いでいました。

副業ライターで月5万円の報酬が倍に

「1回仕事をした企業からは継続して仕事を頼まれることも多かったので、文章力にも自信があったんです。だから、いつかはライター1本で生活してノマド的な感じで、全国を転々としながら暮らせたらいいなと思っていました。当時は大手企業に勤めていましたが、通勤ラッシュや通勤にかかる時間も苦痛だったんです」

 新型コロナの感染拡大でリモートワークになると、通勤にかかっていた往復の約3時間を副業にあてられるようになり報酬が倍に。この調子なら面白いぐらいに稼げるかもしれないと考えた大東さんは、それほど深く考えずに会社を退職してしまいます。

 文章を書くなんて余裕だと思っていた大東さんは、クラウドソーシングのサイトに掲載されていた案件に次々と立候補。順調に仕事を獲得していきました。ところが、いざ仕事をするとなると募集のときに提示されていた報酬金額よりもかなり安い金額で仕事を依頼してくる企業や個人事業主が少なくなかったのです。

途中から報酬の支払いが悪くなる企業も

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「ほかにも、サイトを挟まず直接取引をしようと言われたり、納品したものに完全なるケチをつけられて何度も書き直しをさせられ、挙句の果てにはOKをもらっていたはずのテーマ自体を変更させられたりといったこともありました。いちばん多かったのは、報酬の遅れです。約束していた期日を過ぎ、数か月経って入金されたことも何度となくあります

 元会社員だった大東さんは、支払いを請求することに戸惑いがありました。でも黙っていると、1か月も2か月も報酬を振り込まないクライアントが少なくない。仕方なく催告すると、クライアントとの仲が険悪になり、仕事がもらえなくなるという悪循環に陥ってしまいました。

「驚くかもしれませんが、意外とそういうクライアントが多かったです。きちんとした企業だけではなく、ライティングのルールもわからず安く発注したい企業や個人事業主でも手軽に登録できる仕組みも、トラブルを生む原因のひとつだったのではないかと思います」

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