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安易な「ドイツ礼賛」は危険!“労働生産性が低い”日本はヨーロッパに学ぶべきか

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 近年、ヨーロッパ諸国の働き方を礼賛する論調が散見される。「OECD加盟諸国の時間当たり 労働生産性」によると、日本(1時間あたり46.8ドル)は21位だったのに対して、4位ベルギー(77.2ドル)、8位ドイツ(72.9ドル)、9位オランダ(72.4ドル)など、ヨーロッパ諸国が上位に並ぶ。

残業

画像はイメージです(以下同じ)

 日本の労働生産性の低さはかねてから指摘されており、ヨーロッパ諸国の働き方を学ぶ必要があるのかもしれない。しかし、ヨーロッパ諸国と日本では大きく事情が違うので、安易に比較することは難しいように感じる。

 そこで、ヨーロッパ諸国と比較しながら、日本の労働生産性を向上させる方法について、京都大学大学院の藤井聡氏@SF_SatoshiFujii)に話を聞いた。

ヨーロッパのバイトは時給3000円も

 まず、“労働生産性”という概念について、「“労働者が1時間あたりに産み出した付加価値の量”と定義されます。別の言い方をすると、“労働者が1時間働いて、どれだけ稼げるのか”を意味するものです。そのため、“労働生産性が高い人は低い人よりも優秀で能力が高い”という風潮がありますが、この考えは誤りです」と世間一般に広まっている捉え方に“待った”をかける。

「貧乏な国では、どれだけ優秀な人物でも、1時間あたりで大きく稼げません。けれども、裕福な国では、どれだけ無能な人でも、1時間あたりたくさん稼ぐことができます。例えば、今、ヨーロッパではラーメン屋のバイトで1時間あたり2000~3000円稼ぐことができます

労働生産性の意味を読み違える日本人

ラーメン屋 厨房

「一方、日本で同じチェーンのラーメン屋では、1時間あたり1000円弱しか稼げません。しかし、それは“欧米人のほうが日本人よりも優秀”ということではないです。ただ単に、“ヨーロッパのほうがラーメンの単価が高い”ということを反映しているに過ぎません。日本は長期間のデフレに陥っているため、労働生産性が低いだけです。

 要するに、デフレを脱却さえすれば労働生産性は自ずと向上します。にもかかわらず、多くの日本人だけでなく、政治家やエコノミスト、官僚たちが“労働生産性=労働者(企業)の優秀さ”と読み違え、『IT導入で効率化が進み労働生産性がアップする!』『生産性の低い会社をM&Aで救済しよう!』など、不適切かつ的外れな制度改革や規制緩和の必要性を今なお主張しています」

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