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安易な「ドイツ礼賛」は危険!“労働生産性が低い”日本はヨーロッパに学ぶべきか

ビジネス

日本の優れている点は「勤勉さ、真面目さ」

会社員

 他方、日本の働き方が優れている点を聞くと、「勤勉かつ、上司やコンプライアンスに真面目に従う、という点です」と答え、デフレ脱却の必要性を説いた。

「今現在、日本は歯車が狂っているため、さらに悪い状況になっています。この悪い歯車とは“デフレ”です。デフレを解消してインフレに転じれば、この勤勉さや真面目さを発揮し、高度成長を遂げることは十分可能です。それはヨーロッパ諸国には到底真似できるものではありません」

 デフレ脱却を成し遂げるアイデアとして「“成長すれば良い”ということです。そうすれば、消費や投資が増え、労働者1時間あたりの稼ぎは一気に拡大します」と解説。

「そのためには、第一に、PB黒字化目標を凍結して自由に国債発行をできるようにする。第二に、消費税を減税、ないしは凍結を行う。第三に、今コロナで大きく所得を減らしている国民に補償する。第四に、日本の未来に必要な政府投資を徹底的に推進することです。これらの政策をデフレ脱却が実現するまで徹底的に進めれば、自ずと生産性はうなぎ登りになります」

このままではタイに抜かれる?

今必要なのは企業努力ではなく、政府が意志を持ち、緊縮財政から脱却するころです。最近はテレワークやフリーランス推進、ワーケーションなど、多様な働き方の実現に政府は動いていますが、そんなことよりもデフレ脱却、PB凍結に着手しなければいけません」

 とはいえ、昨今“脱成長”が支持されるようになり、経済成長や投資拡大を望まない人も少なくないが、「この脱成長という風潮こそが最大のネックかつ、ほぼ唯一の原因なのです」と厳しく指摘する。

「とりわけ、脱成長支持者は『投資拡大=環境問題の悪化』と捉えている節がありますが、その積極的な投資を環境問題解消のために使えば良い。環境問題を危惧するのであれば、なおさら積極的な財政出動の実現に向けて一緒に声を上げてほしい。

 そもそも、デフレ脱却を目指さず、脱成長路線になれば、タイなどの新興国に経済力ですぐに抜かれます。グローバル化の波に飲まれ、日本は先進国の奴隷国家に成り下がるでしょう」

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