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高級ホテルやキャンピングカーが仕事場に。米国式「コミュニティ」が主流の暮らし方

ビジネス

ホテルをアパートメントに?

キャラバン・アウトポスト

キャラバン・アウトポスト、自宅のアパートメントで過ごしている感覚も味わえるカジュアルさがいい

 アパートメントの賃貸契約ができない人や家賃が払えない低所得者などが長期にわたって住む場所に、安ホテルやモーテルを選ぶという社会問題もある。

 米国の場合、家やコンドミニアムやアパートメントを賃貸する場合、家主に「クレジットスコア」(クレジットカードの支払い状況を基に個人の信用度を数値化したもの)を審査される。スコアの数値によって家主は入居者を決め、賃貸契約を結ぶことが主流のため、クレジットスコアが低い人はアパートメントを借りることができない。

 つまり、家賃滞納してアパートメントや家を追い出された人やクレジットスコアが低い人や低所得者や失業者は、住居の代わりに安ホテルやモーテルを住居にせざるを得ないのだ。

高級ホテルでリモートワークする人たちも

フォーシーズンズ

フォーシーズンズ・ホテル・アンド・リゾーツのビバリーヒルズにある2軒のホテルのうちの1軒

フォーシーズンズ

ダウンタウン・ロサンゼルスのビル群が見える客室

 一方、日常の雑事から離れて非日常感が味わえる、豪華なホテル滞在を好み、ホテルを住居代わりにする人がコロナ禍で増えている。コロナ禍で旅行者が減ったため、ビジネス戦略として客室をアパートメントやコンドミニアムの代わりにするホテルも目立つ。前編でも、日本の帝国ホテルの事例を紹介した。

 ホテルのフォーシーズンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツ(Four Seasons Hotels and Resorts)」の広報担当責任者、アンドリュー・ガロ―ロ(Andrew Galloro)さんは、こう説明する。

「コロナ禍で勤め先から遠く離れた場所に住んで仕事することが可能な人たちが増えたため、ホテル暮らしをする客(ホテル「フォーシーズンズ・ホテル・ロサンゼルス・アット・ビバリーヒルズ」など)が増加している。特にリゾート地を選ぶ客が目立つ」

 前出のモーテル「キャラバン・アウトポスト」の共同オーナー、スチュワードさんは、ホテル経営コンサルタント会社「エージェンシー・オーハイ(Agency Ojai)」も経営し、ホテル経営者へアドバイスも行なっている。「大手の高級ホテルは、個人にアパートメントやコンドミニアムとして賃貸するよりも、各大手企業と提携して、リモートワークする社員たちを住人として迎えると儲かるだろう」とスチュワードさんは提案する。

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