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選挙ポスターから“笑顔”が減った?選挙グッズ会社の緻密すぎるノウハウを聞く

ビジネス

 2021年10月31日に投開票が行われる衆議院議員選挙に向け、日夜熱い選挙活動が展開されている。選挙活動に不可欠なのが選挙看板、選挙チラシ、選挙たすき、はたまた選挙カーといったものが浮かぶだろう。これらをまとめて手配できるのが「選挙用品ドットコム」だ。

選挙用品ドットコム

一見変哲のないタスキも実は研究を重ねて作られたものだ

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 一般読者からは馴染みが薄いかもしれないが、サイトを一目見ればそこには独特で奥深い世界が広がっている。今回は、運営会社である株式会社マテリア代表の田村亮氏に知られざる選挙用品の世界についてに話を聞いた。

選挙ポスターで大事なのは「機能」

――売れ筋ナンバー1だという、選挙ポスターのデザインで気を使う点を教えてください。

田村亮氏(以下、田村):アート性を求めて芸術作品を作っているのではなく、大事なのは機能です。「三要素」と言われる「顔・名前・所属」を一番伝わりやすいバランスにすることに気を使いますね。

――定型のバランスがあるんですね

田村:候補者によって、最適のバランスを探すんです。顔と名前が広く知られている人なら「顔と名前」を、新人なら「所属」を前面にはっきり出すといった感じですね。候補者からアドバイスを求められることもあります。

――広報と違法の境界線は難しいですか?

田村:法リスクだけを避けすぎると効果的なプロモーションはできないし、PRに寄りすぎると法を犯してしまう危険があります。法律について正しい理解を持った上で、攻められるギリギリを狙ってグッズを作っていきます。法律は突き詰めると専門家でも解釈が分かれることがよくあって、その辺りは難しいですね。候補者が、リスクのある使い方をされていたら、ご指摘させていただくこともありますよ。

選挙タスキは意外と肩が凝る

田村亮氏

田村亮氏

――選挙用品ドットコムがパイオニアで、現在一般的になっている商品はありますか?

田村:タスキの今のスタンダードな形を作ったのは、多分うちだと思います。候補者の立場になって考えるために、1日タスキをして過ごしたことがあるんです。意外と重たくてめちゃくちゃ肩が凝ったんですよ。なので、徹底的に軽量化の研究はしました。さらに防水にしたり、夏でも蒸れないようにメッシュ素材も開発中です。

 候補者の看板も、昔は名前だけのものしかなかったんですが、今よく見かける写真入りのものの普及には私たちの会社も寄与していると思います。それから、候補者や政党の名前をデザインした「選挙マスク」や、雨の日や夜でも候補者が目立つ、光る傘も販売しています(笑)。

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