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衆院選「無駄だから投票しない」という人が入れている“1票”/ラッパー・ダースレイダー

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 東京大学中退の経歴で、明晰な頭脳を生かしマルチに活躍するラッパー・ダースレイダー(44歳・@DARTHREIDER)の連載「時事問題に吠える!」では現代に起きている政治や社会の問題に斬り込む。

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 2021年10月14日の衆議院解散からわずか5日後の10月19日、第49回衆議院議員選挙が公示された。投開票は10月31日となる。選挙の争点などについて解説した前回に引き続き、日本の教育の課題、また投票の際はどう考え、どう選ぶとよいかを解説する(以下、ダースレイダー氏の寄稿)。

「公文書」の扱い方も判断材料のひとつ

 投票するときの判断材料のひとつに「公文書」の扱い方があります。政府の公文書管理を巡っては、これまでに森友学園問題、桜を見る会、コロナ対策会議における議事録問題、厚生労働省の不正統計問題など、さまざまな問題が発生しています。

 公文書がなぜ大事かというと、公文書は国民の情報だからです。国民の代理人である議員、あるいは国民のために奉仕する官僚が、仕事をどうやっているのかを私たちがチェックできる書類が公文書です。

 公文書は「こういうふうに物事を決めました」ということを見られるようにするためのものです。この公文書を書き換えて改ざんする人たちは、私たち国民の議論・情報を勝手に書き換えているということです。例えば、自分の持っている書類を代理人に預けていたら、内容を書き換えられていたとします。それを、あなたが許容するかどうかです。

 あるいは、代理人が話し合って決めたことを「どういう話をしたのか」「どうやって決めたのか」と聞いたときに「教えられない」と言われる。または「データを廃棄してしまいました、記録を取っていません」と言われる。あなたが、それを認めるかどうかです。 

投票することで、基本的な意思を明示する

衆議院議員選挙

 公文書を改ざんするか、しないか。データを改ざんするか、しないか。議事録を残すか、残さないか。代理人の行動としてどっちがふさわしいのか。現政権与党は、公文書、データを改ざんしました。議事録も残さなかったり、廃棄したりします。

 今の野党が、同じことをしないかどうかはわかりません。ただ、もし公文書やデータを改ざんし、虚偽答弁などをしている政権には任せられないという判断が国民から下された場合は、次に誰が政権を担う場につくとしても、公文書やデータは改ざんできない、虚偽答弁はできない、という前提で当選することになります

 ちゃんとやるかどうかは、その政治家次第です。ただし、「そこに立つ条件は何か」ということを明示することはできるわけですね。代理人は公文書やデータを改ざんしてはいけない、虚偽答弁をしてはいけない、という基本的なことを明示できる選挙になるのです。

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