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五大商社、取引先から見たイメージは?三菱商事を抑えての「総合スコアNo.1」は

ビジネス

エリート、資源、繊維…各社のイメージ

 調査の際に寄せられた定性コメントから抽出した特徴的なワードの集合を表している(商社、総合商社など、五大商社全てに共通して出現するワードは除いている)。

Sansan株式会社

図版作成/Sansan株式会社

 三菱商事では、 社名を除き「財閥」「エリート」「資源」というワードがひときわ大きい。他の商社よりもエリートの印象が強いように見える。また、他社名の出現頻度が少ないことから、比較されたコメントが少ないことが伺える。他の業種でも、業界2位以下の企業はトップの企業と比較されて言及される一方で、トップの企業はあまり比較されない傾向にある。

 2020年度の純利益等が伊藤忠に逆転されたとはいえ、長年トップであった特徴が表れていると言える。また、「集団」「組織力」などのワードも出現しており、組織全体の力が評価されている様子が伺える。これはブランドのスコアが高いことと整合的な結果だ。

 三井物産では「資源」が特徴的に表れている一方、「三菱商事」「伊藤忠商事」のワードも出現しており、これらの企業と比較されて語られがちなことがわかる

 これらを含む実際のコメントには「エリート集団 資源に強いがインフラに弱い(インフラは三菱商事に負ける)」(金融業、係長)、「伊藤忠に先を越されて残念。相変わらず資源一本足のイメージ」(卸売、部長)などが見られた。他に特徴的なワードに「個々人」「個性」なども見られている。これは三菱商事の「組織」に対し、「人の三井」のイメージを裏付けるような結果となっている。

伊藤忠商事、住友商事、取引先からは?

 伊藤忠商事は「繊維」「ファミリーマート」「岡藤」「商人」など他にはないユニークな固有名が特徴的に出現している。取り扱っている商材や代表取締役会長の名前、また「三方よし」や「近江商人」など、社風やカルチャーなどが外部に強く印象付けられていることがわかる。このように、具体的な商材やサービス名が印象付けられていることは、「有用性」スコアが高いことと関係があるのかもしれない。

 住友商事では「財閥」「住友グループ」の文字が大きく、財閥系企業、グループのイメージが強いように見受けられる。伊藤忠商事と比較すると固有名の特徴度がやや弱く、このことだけ見れば、特定の固有名に特化した印象はあまり持たれていないように見える。

「オールラウンドの商社」(政治団体)のようなコメントもあった。裏を返せば、「手堅い」というワードが示すように、全方位的にバランスの取れた印象を持たれているということなのかもしれない。

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