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“アフリカの北朝鮮”エリトリアで感じた圧倒的な貧富の差

コラム

 大統領は「民主的な選挙はやらない」と宣言しており、解決の目処は立っていません。人の移動も制限されていて、外国人が入国した都市から移動するには許可証を得る必要があります。目的地によっては許可が出ません。

 許可証は観光省へ日取りと目的地を伝えて発行してもらいます。午前中に申請すれば当日夕方に受け取れます。

首都アスラマは意外に平穏

アスマラのカフェ

アスマラのカフェ

 また、現地通貨はナクファは「1米ドル=15ナクファ」の固定レートです。日本円に換算すると、1ナクファ=約7円。最高額面でも100ナクファ、約700円しかないので、ホテルなど高額の支払いは米ドルが使われます。

 恐怖政治の影響か国内の治安は良好で、犯罪はほとんど見られません。

 首都アスマラにはカフェやバーが多く、身なりの良い現地の人が昼からエスプレッソを飲みながら談笑しています。おそらく、独裁国家の中でも「持てる者」が多く住んでいるのでしょう。非常に旅行のしやすい街でした。

 ただ、日本人が来ることが少ないのか、アジア系の観光客に「チャイナ!」「ニーハオ!」と寄ってくる子供には少し困りましたが、英語を解す人が多く、多少の英会話ができればコミュニケーションには苦労しないでしょう。

●エリトリア観光のポイント
・都市間の移動には許可証を得る必要がある。
・多少の英会話ができればOK

 しかし、地方都市への移動は困難を伴いました……

都市間移動するバスが来ない!

 エリトリア旅行2日目。

 山頂にある修道院、デブレ・ビゼン修道院を見に行くために乗ったバスは、メンテナンスの状態も悪いのかドアが閉まらなくなり、客を乗せたまま一旦車庫へ向かうことに。

 車庫に着くと修理のために一旦下車され、1時間ほど待たされてから目的地へ向かうような状況でした。

車庫で修理中のバス

修理のために待たされる。日常のことなのか、誰も慌てていない。

 全体的にエリトリアのバスは本数が少なく圧倒的な供給不足で、いつ来るかわからないバスを何時間も待たなければいけません。長距離バスは立ち乗りができず、座席数と同じ人数しか乗せないため快適なのですが、逆に供給不足に拍車をかけています。

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