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「世界一かわいそうな童貞」のために起業した、元カプコン26歳社長

ビジネス

「モンスターハンター」「ストリートファイター」などのゲームで知られるカプコンに新卒で入社し、3年後に株式会社ActEvolveを起業した、加藤卓也さん(26)

加藤卓也

株式会社ActEvolve代表の加藤卓也さん(26)

 VR、ARコンテンツの企画開発を行うベンチャー企業である同社で、日本初のVRゲームをプレイヤー以外の人々にも観戦可能にした「Blits Freak」を開発。

 VRゲームを日夜作り続けている加藤さんの意外な起業のきっかけや、ストイックすぎる日常生活を聞きました。

スポーツチャンバラ大会でアジアチャンピオンに

――新卒でカプコンに入社していらっしゃいますが、なぜカプコンに?

加藤卓也(以下、加藤):これ、話すと長いんですけど、実はずっと体育会系の部活に入っていて、大学時代はスポーツチャンバラっていうマイナーなスポーツの世界大会でアジアチャンピオンにもなったんです。

 ただ、プロになるか、就職するかを考えたとき、プロになったとしてもめちゃめちゃマイナーだし、どれくらいの影響を世の中に与えられるのかなって。だったら将来的にもっと多くの人、多くの時間インパクトを与え続けたいと考えて、コンテンツサービスを作る側に回りました。

――なるほど、なぜゲームを選んだのですか?

加藤:それはもうタイミングですね。広告代理店とで迷ったのですが、僕が就職活動をしていた2013年前後はちょうどソーシャルゲームバブルの勃興期だったんです。ちょうど2012年にリリースされた「パズドラ」が何千億円と稼いで、何百万人も使っている。そういう世界に飛び込んでみたくなったんです。

「お前のために世界を作ったる」

――実際、VRゲームの開発で起業しようと思った理由は?

加藤:起業自体はカプコン入社前から考えていて、ちょうど手がけていたプロジェクトが終わったタイミングで会社を辞めました。

 それで、具体的に何を事業化しようかと考えていたとき、大学時代にバックパッカーをやっていたのを思い出したんです。そのときの僕、めちゃめちゃ意識高くて、将来は世界で一番可哀想な人のために働こうって思ったんです(笑)。

 フィリピンのスラムとか、ガンジス川のほとりとか、イタリアのマフィア街とかで生活している人のために起業しようと思っていたんですが、実際、出会ってみたら全然可哀想ではなくて、むしろ日本人のサラリーマンのほうがよっぽどしんどそうでした。

――それはなんとも逆説的ですね……。

加藤:みんなすごい楽しそうに生きてるんですよね。でも、どうしようかと悩んでいたら12月24日にたまたま渋谷の道玄坂で泣いてる男に出会って。興味本位で「どしたの?」って聞いたら「なんか涙が溢れてきて」って。

 どうも、そいつは人生で一度も彼女ができたことがない22歳の童貞で、クリスマスイブに「失恋した女性とあわよくば……」と思って、渋谷のラブホ街に来たらしいんです。だけど、誰もいなくて、しばらくして自分の行動に絶望して泣いていると(笑)。そこで思ったんです、「お前が一番可哀相だな」って。