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情緒が不安定なモンスター上司にふりまわされる部下3人の告白

学び

 そんな攻撃的な一面を持つAさんについて、同じく部下の島田友希さん(仮名・28歳)は別の問題についても語ってくれました。

「自分は能力が高く、仕事ができると自信を持っているようです。部下が曖昧な内容のメールを配信するとすかさず突っ込みを入れて、『つまり結論は?』などと送ることはしょっちゅうです」

 ところがその上司からのメールはどうなのかというと……。

「その上司はかなりナルシストなんです。メールも気分で書いているようで、ものすごく長く書くこともあれば、全くよくわからない短いメールを部内や、時には社内全体へ一斉送信します。

 正直、文章力が乏しいのか、まわりくどい表現が多く、誤字脱字も多く、数回読み直さないと解読できないんです。でも本人は自分の文章に酔っているかのような印象。はっきり言って、その上司こそ、『で、何が言いたいメールなの? メールはお前のポエムか?』って感じです」

 実際にいくつかのメールを見せてもらったところ、確かに誤字や漢字のミスが目立ちます。そして一文がとても長く、主語述語も曖昧で要点がつかめません。これでは部下が困惑するのは無理もないかもしれません。

人に厳しく自分に甘い自己管理

モンスター上司

 同じ部署でAさんと近い距離で仕事をする三田千佳さん(仮名・29歳)は数か月前の出来事を「あの時は本当に呆れてしまった」と振り返ります。

「その上司は、日頃から部下に、職場の雰囲気は業績アップにもつながるから、心身の自己管理はしっかりするように、と言っていました。ところが、ある時、同棲していた彼女にふられたらしく。

 その日は出社してもほぼ放心状態でまったく仕事になりませんでした。挙げ句の果てには早退し、翌日はなんと休みました。そしてどうもその休んだ日に、必死で彼女に謝ってヨリを戻してきてたらしいのです」

 三田さんが言うには「彼女とヨリが戻った途端、調子が戻り、いつものように『明るい職場が成果を上げる! みんな苦しい時こそ笑顔だぞ!』とはりきっていたそうです」

 周囲からの冷ややかな視線に気付かないほど、彼女と戻れた喜びでいっぱいだったのでしょう。

 取材した3人それぞれがこの先、どうやってその上司と折り合いをつけながら関わっていくかを日々模索し、転職も辞さない態度でした。

 この3人にとって、その上司の存在が、自己の再発見と人生の良い転機に変わることを願っています。

<TEXT/タカセニナ イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

秘書、広報、営業などを経てフリーライターに。海や山が大好きだけどそこまでアウトドア派ではない。DIY好き。レトロな場所やモノや文字が好き

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