おにぎりの代わりに何買う?「コンビニ食」でも健康になれる方法
産業医として1万人の働く人と面談をしてきた経験でいうと、上記の最低限と医学的健康レベルの間に位置すると思います。
無添加無着色、無農薬や有機栽培を求める人はそもそも自炊が基本でコンビニにはいきません。このレベルの方々のコンビニ食で最大の問題かつ対処可能なものは、カロリーの摂りすぎということにつきます。
コンビニ食でも健康的な食生活をおくるために、産業医が提案するのはたった2つの約束を守ることです。
コンビニ食でも健康になれる2つの約束
最初の約束は、自分が1日で摂取すべきカロリー(標準摂取カロリー)内で抑えようということです。
現代、多くの人はカロリーを取りすぎています。あなたが本来とっていい1日のカロリーは、現在のあなたの体重に関係なく、身長から導かれる標準体重1kgあたりに25~30kcalをかけたカロリーとなります。
例えば、身長173cmの男性の標準体重は、約66kgです。これに25~30kcalをかけると、1646-1975kcalとなりますが、細かいことを省いてざっくりと1日1800kcalくらいと考えます(標準体重の調べ方はいろいろな方法がありますが、やりやすいものでいいと思います)。
コンビニ食のパッケージの裏などには、その食品のカロリーがほとんど記載されていますので、ぜひ、ご自分が1日に摂取していいカロリー内でのやりくりをしてみましょう。それだけで、食べ過ぎは防げ、将来のメタボ予備軍予防になります。
脂質、糖質よりもたんぱく質を摂ろう
2つめの約束は、たんぱく質をしっかり摂るということです。
食品に含まれる栄養素の中で、カロリーがあるものは、糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質の3種類です。これを三大栄養素と言います。
それぞれの1gあたりのカロリーは、糖質とタンパク質が4kcal、脂質が9kcalです。脂質はカロリーが高いですから、1日の摂取カロリー内でのやりくりを考えるのであれば、お腹いっぱいにするためには、脂質よりも糖質とたんぱく質を摂ろうとなります。
しかし、ここで糖質ではなく、たんぱく質を優先することが大切です。タンパク質は筋肉の元となります。タンパク質の摂取不足は全身の筋肉量の低下から基礎代謝量の低下、つまり太りやすい・リバウンドしやすい体質となってしまいます。
おにぎりの代わりにコンビニで買うもの
ですから、たんぱく質を十分に摂ることは、筋トレをしていなくても筋肉の維持に必要です。
具体的には、毎日、自分の標準体重×2(g)のたんぱく質を取りましょう。先ほどの例の人の場合132gとなります。これは、約528kcalですから、たんぱく質以外のものは約1300kcalとっていいとなります。
このように1日の摂取すべきカロリーと三大栄養素量に基づき食べる食事法を詳しく知りたい方は『マクロ管理法、The Mifflin, M. D., St Jeor formula』などでお調べください。
つまりコンビニにあり、比較的安価で簡単にたんぱく質を摂取できる食品は、サラダチキン、納豆、お豆腐です。おにぎり1個分をこれらのものに変更するだけで、ちょっと健康的なコンビニ食になりますので、ぜひ、お試しください。
<TEXT/武神健之>