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「もっとも悲しい大会」東京五輪に招致で破れたスペイン、現地ライターが見た賛否両論の報道

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日本の暑さにメダルのチャンスを失った選手も

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炎天下のゲームに選手から苦言も(代表撮影:雑誌協会)

 日本の夏の暑さがいかに危険か、についても取り上げられている。「CNNエスパニョール」の記事には、「暑さと湿気で今年の日本の夏は、史上最悪になるだろう」とある。実際に残念な出来事が起こってしまった。

 7月28日、テニス女子シングル準々決勝に勝ち進んでいたスペイン人のパウラ・バドサ選手は熱中症で途中棄権。初めてのオリンピック出場だった。メダルのチャンスもあった選手なだけに、本人も関係者も悔しさを飲み込んだ。

 バドサ選手はTwitterで「このように終わったことが非常に残念です」と述べた。

まるで『ウォーキング・デッド』のようだ

 このニュースに関連し、スペイン紙「エル・ムンド」の記事でアルゼンチンのテニス代表ディエゴ・シュワルツマン選手は「40度もある正午にプレーを強制されるなんてありえない」と怒りをあらわした。「僕たちはテニスをしているのではない。誰が最後まで倒れずに耐えられるか我慢比べをしている。まるで、『ウォーキング・デッド』(アメリカのゾンビ系テレビドラマ)のようだ」と語った。

 炎天下の日本でテニスをするのは過酷としか言いようがない。40度の中でテニス……と想像するだけで、ゾンビ化している我が身が簡単に頭に浮かぶ。暑さもコロナも落ち着かないなか、残りわずかとなった東京オリンピック。選手たちが与えてくれる感動で私たち、そして世界がひとつになることを願うばかりだ。

 今回この記事を書くにあたり、「金継ぎ」について調べて知ったのだが、室町時代の茶人たちは金継ぎをした箇所のことを「景色」と呼んでいたという。壊れた器の継ぎ目を隠すことなく、割れた器もひとつの芸術として楽しんでいた。

 現代の日本も「日本の壊れた部分」を包み隠すのではなく、傷や恥をつなぎなおしてできた、新しい「景色」を楽しむゆとりが必要なのかもしれない。

<TEXT/早川きえ>

北スペイン在住ライター兼美容師。語学力ゼロで海外へ。美容師として4カ国で働く。マルチ・ポテンシャライトな働き方を実践中。趣味はボクシングと美味しいキムチを漬けること。
Twitter:@carmeri2

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