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トヨタ関連企業を辞めて「歌舞伎町でNo.1ホスト」になった男の半生

ビジネス

 親の敷いたレールを歩み、“求められていたキャリア”を順調に築いていたのに、ある出来事がきっかけで地元を飛び出すことに――。

 28歳で歌舞伎町のホストになり、現在は3店舗のホストクラブを経営する皐月さん(41歳、@thegodsatsuki)。夜の世界に入り、遅咲きながらグループ年間売り上げナンバーワンまで昇り詰めた。

皐月さん

皐月さん

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「本当に熱狂できる仕事に出合いたい」と、もがき苦しんだ20代を経て、ホストとして開花するまでに、どのような葛藤や思いがあったのだろうか。経営するホストクラブ「OZONE(オゾン)」で詳しく話を聞いた。

敷かれたレールを進むが、徐々に違和感が

 愛知県で生まれた皐月さん。彼の住む地域には日本を代表する自動車メーカー・トヨタが本社を構えており、“この企業に就職して結婚し、マイホームを建てること”が幸せの定義とされていた。

 両親と弟をはじめ、親戚の多くはその関連企業に勤めており、皐月さんも地元の大学を卒業し、何の迷いもなく同じ企業に就職した

「機械設計エンジニアをしていました。要は車の部品の設計ですね。この会社は地元の優良企業ということもあり、仕事に誇りを持っている人が多かったのですが、僕はどうしても好きになれなくて。朝9時から深夜までただひたすらに働き、ほかに楽しいこともない日々。数年働いたのちに、『もっと大きなことをやりたい』『東京に出て勝負したい』という気持ちが湧き出てきました。でも家族の期待を裏切れないし、そもそも地元を出るのが怖くて……」

不幸が重なり精神科に。地元企業も退職

皐月さん

 新しいことに挑戦したいと思いつつも勇気がなく、ただ時間だけが過ぎていく。そんな毎日が大きく変わったのは、27歳のときに起きたある出来事がきっかけだ。

12年飼っていた愛犬の死と10年付き合った彼女と別れたのが同じタイミングできて、精神的に参ってしまったんです。人生で初めて精神科に行って薬を処方してもらいました。そのタイミングで会社も辞めました。両親は……すごく悲しんでいましたね」

 なんとか社会復帰しようと、様々な自己啓発本を読むも、心が追いつかず頭に入らない。書店に足を運ぶ中で、人生を変えるある1冊の本に出合う。

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