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「予想を裏切られました」“中国版”寝台新幹線の実態を駐在員が語る

コラム

 最近は転勤のない企業への就職を希望する若者が増えているそうですが、その一方で20代のうちから海外駐在員として経験を積んでいる人も少なくありません。異国ゆえの苦労は当然あるでしょうけど、それだけに発見も多く、それなりに海外赴任生活を満喫している若者も多いようです。

中国

画像はイメージです(以下同じ)

 ゼネコン関連会社に勤める臼井怜次さん(仮名・29歳)も、昨年2020年まで中国・広州の現地支社に勤務。堪能だった中国語を生かし、コロナ禍以前は出張で月の半分は中国国内を飛び回っていたとか。

中国版新幹線には寝台付きの夜行列車が

「コロナの最初の感染地として話題になった武漢をはじめ、上海や北京、深圳、大連などの大都市は頻繁に訪れていました。可能なら日帰りでスケジュールを組みますが中国って広いんですよね。だから、泊まりになることも多く、本当に忙しい毎日でした。といっても仕事の半分以上は移動のため、そこまで仕事したぞ!って感じではなかったですけど(苦笑)」

 ちなみに出張先への移動は、主に飛行機を利用。ただし、同じく重宝していたのは中国版新幹線の高速鉄道だったといいます。

「私が好んで利用していたのは、寝台車付きの新幹線。国土の広い中国では夜行の新幹線も走っていて、個室寝台が完備されている車両もあるんです。北京~上海は寝台新幹線が毎日運行していましたし、私の場合は1度の出張で両都市を訪れることが多かったので夜中のうちで移動できるのは本当に助かるんですよ。

 最初のころは飛行機を使っていましたが、朝早い便だとそれだけ早起きしなきゃいけないから睡眠時間を削ることになる。寝不足のまま仕事するから疲れがなかなか抜けずに体調を崩すことも結構あったんです」

車内は清潔。揺れも騒音も少なく大満足

中国版新幹線の高速鉄道

中国版新幹線の高速鉄道

 臼井さん自身、日本で寝台列車に乗った経験はなく、初体験が赴任から約8か月後の中国国内出張。仲良くなったほかの企業の駐在員から寝台新幹線の話を聞き、それで試しに乗ってみたそうです。

「ただ、はじめはそこまで期待していたわけじゃないんです。中国って鉄道王国ですけど、在来線ってあまりキレイじゃないんですよね。特急列車とかでも通路にゴミが散乱してあることも珍しくないですから。けど、中国版新幹線の寝台車は思いのほかキレイで、いい意味で予想を裏切られました

 中国版新幹線の寝台車は複数の種類があるようですが、彼がよく利用していたのは列車中央の通路を挟んで両側に上下2段の寝台が並ぶタイプの車両。

 ドアではなくカーテンで覆う半個室型の寝台だったそうですが、プライバシーは確保されており、パソコン仕事が行える程度のテーブルをはじめ、照明や電源、USBケーブルの接続口などを完備。大人の成人男性でも足を伸ばして寝られるくらいのスペースは確保されていたそうです。

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