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飛行機の座席ミスを注意した 29歳男性…行き過ぎた正義感で後悔することに

コラム

思わずその場に参戦してしまう

 そこで見かねた隅田さんが事情を説明。すると、先程ペットボトルを持って行った客室乗務員が通りかかったので「あの方です!」と教えます。

客室乗務員さんは『本当に申し訳ありません』と謝り、代わりに機内サービス用のミネラルウォーターのペットボトルを渡していました。ただ、一連のやりとりは前の座席に座っているBさんも気づいていたはずです。ところが、この状況でも彼女がAさんに謝罪してくることはありませんでした」

 あくまで他人事という態度のBさんにイラッとした隅田さんは、彼女に向かって「間違って他の席に座ったのは仕方ないとしても、飲み物を勝手に処分してそのことを言わないって失礼すぎませんか?」と言ってしまいます。

 まさかこんなふうに知らない男性から突然責められるとは思ってもいなかったのか、Bさんは大変驚いた様子だったそうですが、バツが悪そうな表情でAさんに謝っていたといいます。

いいことをしたと思ったのに妻からは…

夫婦

「Aさんからは何度もお礼を言われ、人の役に立つことができてよかったです。ところが、出張から帰った後、妻にこのときの出来事を話すと、『それってどうなの?』とまさかのダメ出しをされたんです

 奥さんはAさんが座席にペットボトル以外の荷物を置いてなければ後から座ったBさんが前の便の乗客の忘れ物だと判断するのは仕方のないことだと指摘。彼女の態度が悪いというのもあくまで主観的な印象に過ぎず、責められるほどの非はないと言ったのです。

「最初はどうして? と思いましたが、詳しく聞いてみるとその通りのような気がして……。妻からは『ヘンな正義感を振りかざして恥ずかしい!』って怒られるし、スカッとした気分から一転して凹まされました

 一見、片方に非がある状況だと思えても誰の目からも同じように見えるとは限りません。一歩間違えば注意や忠告をした側が非難を浴びるケースもあるため、慎重に判断したほうがいいかもしれませんね。

<TEXT/トシタカマサ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

特集[令和のスカッとした話

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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