元NHKアナが伝授する「オンラインでも、対面でも」相手に伝わる話し方。語尾はしっかりと
コロナ禍で一変したビジネスシーン。初対面の方との打ち合わせや商談がオンラインで行われることも当たり前になってきました。対面でもビジネスの場で初めて会う人との会話は緊張するものです。オンラインだと、伝え方にもさらに気を使いますね。
筆者(阿隅和美)は20年近く、テレビアナウンサーやキャスターを務めたあと、現在までのべ1万5000人以上のビジネスパーソンに「話し方」「伝え方」の講師をしています。テレビは視聴者に「画面越し」に情報を伝えるメディアです。テレビ現場で学んだ実践的な話し方をもとに、オンラインでもビジネスがうまくいく「話し方」「伝え方」について成功・失敗事例を交えてお伝えします。
※本記事は書籍『仕事のできる人の話し方』(青春出版社)の一部抜粋です。
無意識に出てくる話しグセに注意
「無くて七癖」といいますが、話し方にも人それぞれクセがあります。長時間のセミナーや会議などでは、話しグセが気になってしまい、内容が入ってこないこと、ありませんか? 話が頭に入ってこない人の話し方の代表例には下記のようなものがあります。
「今回お申し込みのプランのほうですが、え~来月からサービス開始という形にさせていただきますが、え~それ自体は特に問題ない感じでしょうか……?」
・言葉グセが多い:「え~」「あの~」「まあ~」
・余計な言葉が多い
例えば、「え~」という発話。緊張すると多くなる方や、話しやすいように調子を取るために発話している方、考えている間、黙るのが怖くて、つい発してしまうタイプなどさまざまですが、無意識に言葉グセになっている方は結構多いようです。
また、「~のほう」や「~のかたち」という言葉を、クッション言葉や接遇用語のつもりで使う人がいますが、正しい使い方ではありませんのでオフィシャルな場ではご注意ください。
「話のノイズをカット」をすると伝わりやすい
こうした話しグセが頻繁になると、話の伝達効果を妨げるノイズになってしまうので要注意です。別の角度から見ると、実はこうやって無駄な言葉で話を水増しすると、本当はたいしたことを言っていないのに、一見、もっともらしく聞こえるのです。
「もしかしたら、この人、浅い内容をカムフラージュしたいのか? 煙に巻きたいのか?」と勘ぐられないようにご用心。
では、話がスッキリ頭に入ってくる人は、どうしているでしょうか。そういう人は無駄な言葉を除去し、ノイズをカットして、必要な言葉だけを届けているのです。
対面で「話が頭に入ってくる」人の話し方には次のような例があります。
「今回お申し込みのプランは、来月からサービス開始となります。よろしいでしょうか?」
こんなふうに、言葉グセがなくなると、必要なことだけが耳に届くので、たとえ長時間聞いても疲れませんし、集中力も途切れません。